極みジータちゃんに召喚されたアバベリがメス堕ちさせられる話

 この世界は魔法が発達しており、人々の暮らしと切っては切れない関係だった。また、悪魔と呼ばれる者たちも存在しており、様々な姿形をしていた。
 獣の姿や典型的な悪魔の姿、人に害なす者もいれば力を貸す者もいた。後者の場合、代償としてなにかを支払うこともあるが……。
 とある住宅地。洋風な造りの一軒家がずらりと並んでいるが、どんよりとした灰色の雲が空を覆い、じめじめとした空気に溢れているせいで普段の明るさはない。
 雨はまだ降っていないが、いつ降ってもおかしくはない。朝からずっとそんな天気だ。
「うん。これでよし。あとは魔力を込めれば……」
 並び建つ家の一つ。その地下室では蒼い髪と目を持つ少女が魔法陣を描いていた。羽のようなモチーフが目立つ黒いヘアバンドをし、服は胸元がひし形に切り抜かれ、谷間が強調されている。
 下もピッタリと肌に密着するタイプのパンツで、大胆に太ももを晒しているという、全体的に露出度が高い服だ。
 埃っぽい地下室は薄暗く、本棚が魔法陣を囲むように何個も置かれていた。棚は魔法関係の本だろうか。分厚いそれらがぎっしりと詰まっている。
 魔法陣の前に立つ少女──ジータは両手を前に突き出すと魔力を込めた。彼女の手から清らかさを感じる蒼々とした魔力が溢れ、魔法陣へと注がれていく。
 するとどうだ。魔力の込められた陣は闇色に輝き、暗い色をした光が円の中に光の柱となってほとばしるではないか。
「なにこれっ……! きゃっ!」
 強くなるばかりの魔力にジータは耐えられず、吹き飛ばされてしまった。大きな本棚にぶつかり、衝撃に棚が揺れる。
 本棚の後ろは壁なので倒れはしなかったものの、並びを崩された本たちがジータに向かっていくつも落ちてきた。
 幸いなことに本が頭にぶつかることはなかったが、叩きつけられた痛みが全身に走り、ジータは呻く。
 眼前にある魔法陣の光は徐々に収まっていき、薄っすらと人の姿が見えてきた。完全に消えると、そこには捻じくれた双角を持つ男が立っていた。
「このオレを喚ぶとは……キミ、只者じゃないな」
「え、男? え、サキュバスを喚んだはずなのに……魔力の量を間違えた?」
 右目のみ白目部分が黒く染まった真紅の瞳。黒いシャツをはだけさせ、美しさを感じさせる筋肉を惜しげもなく晒している。
 下肢もガッチリとしており、男らしい体をしているが、顔の造形含め、全てが整いすぎているので芸術品のようだ。
 しなやかな肉体には禍々しさを感じる紋様が浮かんでおり、どこからどう見ても悪魔。
 ジータはその場で頭を抱える。自分が召喚しようとしていたのはセクシーな体を持つ女の淫魔、通称サキュバスであり、男ではない。
「サキュバス? ……もしかして性欲を満たしたい、とか?」
「そうだよ! こんなの誰にも言えないし、悪魔ならと思って召喚したらなんか淫紋がある全体的に禍々しいインキュバスが現れるなんてぇっ!」
「このオレをインキュバス……。……まあいい。キミは幸運だ。サキュバス程度じゃ満たせないほどの快楽をキミにあげよう」
「ん〜……。まあ、穴はあるからいっか……」
「うん?」
 男は口角を吊り上げるとジータを甘い声で惑わすが、特に効果はない。逆に意味深な言葉を呟くものの、男は意味が分からないようだ。
 とりあえずこの場ではヤることもできない。悪魔を連れてジータは地下室の階段を上がり、二階にある寝室へと向かった。
 窓の向こうに広がる空は雨が降っていて、雨粒が窓ガラスを濡らしていく。これといった特徴はない寝室だが、整理整頓だけは行き届いており、ベッドは寝起きした使用感が残っている。
 これからすることの邪魔になる掛け布団を捲り、現れた縁にジータは腰を下ろすと下半身を覆う二枚の布を脱ぎ捨てた。それを見て悪魔は目を丸くする。
 ジータの頬は赤くなり、その理由も異性に下半身を晒しているから……と、いうわけではなさそうだ。悪魔に向けるのは興奮に満ちた眼差し。どうやら相当性欲に困っているらしい。
 だが悪魔が驚いたのはそこではない。ジータの股間には一般的な成人男性よりかも立派な反り立ち。下のほうには女の子の部分があるため、生まれ持ってのモノか、なんらかの理由によるモノか。
「早速だけど咥えてくれる?」
「ほーぉ、これはご立派な……」
「魔法の練習していたら失敗しちゃって生えてきたの。自分で触ってみたけどうまくできないし、だから性に関する悪魔を喚ぼうとして……」
「キミがサキュバスを喚ぼうとした理由は分かったよ。マァ、オレに任せて」
 熱い滾りはピクピクと震えており、先端からは涎を垂らし続ける。悪魔は舌で唇を湿らすとジータの前に跪き、躊躇いなく股間に顔をうずめた。
 生温かい口内に敏感な部分が迎えられ、カリ首や裏筋を柔らかな舌で舐められると腰が蕩けてしまいそうになる。
 性的な快楽を知らないジータは極度の興奮状態というのもあって、その沼に簡単に落ちてしまう。
 悪魔は片手で肉棒を固定すると見せつけるように舌の先端を上下に何度も滑らせる。涙を流す傘にも吸い付き、射精を促してくる。
 イッちまえと挑発的な色を宿す目に、ジータの中にふつりと加虐的な感情が湧き上がる。
「ううっ……出そう……でも、その前にヤッてみたいことがあるの。ちょうどいい角もあるし」
 奥からなにかが出てしまいそうな感覚も迫り、ジータは一度呻くと、悪魔の角を操縦桿のように両手で掴んだ。
「オ゛ッ!? ガボッ、ォ、ゴッ!?」
「あんっ♡ 気持ちいい♡ こんな乱暴なコト人間相手にはできないよぉ〜♡」
 一気に最奥まで穿ち、顔を蕩けさせたジータは馬鹿になったように腰を打ち付ける。そこに遠慮なんてものはない。
 これがサキュバスだったならば悪魔でも女の子相手ということでここまでしないが、相手は男。しかもインキュバス。性行為には慣れているし、多少強くしても耐えられるだろう。
「ッお゛♡ オ゛ォお♡♡ お゛ッ♡ んう゛ぅ゛♡♡」
「インキュバスの喉マ●コ気持ちよすぎぃ〜〜♡♡」
 腰を振るたびにギシギシとスプリングが悲鳴を上げる。ジータの瞳はハート型が幻視できるかのように色欲に染まり、快楽に従順になる。
 悪魔はというと、生理的な涙を目尻に留めながらも楽しんでいるようだ。目は緩やかにカーブし、自分をオナホ扱いしている少女の痴態を目に焼き付けている。
 乱暴な抜き挿しを続けていると欲望を体現したモノが膨らみ、熱いほとばしりが悪魔の喉奥に向かって吐き出された。
 初めての射精にジータは落涙を続け、なにも映してはいない虚ろな目を天井に向けている。その口は気持ち良さそうに開かれ、端からは唾液が滴っていた。
「ぷはっ……キミぃ、いったい何者だい? ここまで高濃度の魔力を味わったのはハジメテだよ」
 吐き出された精液を悪魔は美味そうに飲み込み、萎えた男根から離れる前に尿道に残った魔力の残滓ざんしを得ようと吸い上げる。
 イッたばかりなので彼に与えられる小さな刺激も、大きなモノへと変わる。
「え? ただの一般人だけど……っ。学校での成績は、まあ上位。けどっ……魔力がなかなかうまく扱えなくて」
「なるほどね。秘める魔力は絶大だがモノにしきれていない、と」
 敏感に震える体。言葉を詰まらせながらもジータは答え、悪魔は一人納得した。それならばここまで濃い魔力も頷けるというもの。
 棒付きの飴を吐き出すようにちゅぷりと音を立てて、悪魔は亀頭を解放した。たしかに萎えたはずの滾りはもう復活しており、ジータのへそへ向かって存在を主張する。
 まだまだ楽しめそうだと、悪魔は赤い唇を舌でなぞった。
「はぁ……やっぱり消えないかぁ、コレ。本当にどうしよう……」
「ならこのまま姦淫とイこうか。イキまくれば消えるかもしれないぜ?」
 口の端を上げると、悪魔はジータの両肩を押してベッドへと倒した。軋む音が短く発せられ、ジータの背中にはマットレスの柔らかな感触。
 悪魔が獲物を捕らえた捕食者のように舌なめずりをしながら覆い被さってきた。その一連の動作に、きっと他の女の子ならキュンとするんだろうなあ、とボーッと思いながらジータは行動に移った。
 素早く体を反転させ、上下を逆転させる。悪魔もまさかの展開に目を皿にし、瞬きを数回。今度はジータが得意げに唇を真っ赤な舌でなぞり、悪魔のレザーパンツへと手をかけた。
「ん〜私、どちらかと言うと上がいいんだよね」
 言いながら一気に下げ、後方へと放る。悪魔の下肢を覆っていた布は乾いた音と一緒に床へ落ちた。
「うわ、おっきい……。というか、乱暴されて勃起しちゃったの? さすがインキュバス」
 悪魔は下着を穿いておらず、膨張した股間がジータの目の前に晒される。勃起した他人の男性器など見たことはないジータだが、悪魔のサイズが一般的な人間のそれとは違うのだと理解はした。
 腹にぴったりとくっつく陰茎。自分の股間に生えるモノと大きさは同じくらいか。
「キミ、結構なサディストだな。このオレを組み敷くなんて」
「さっきから“このオレ”って言ってるけどあなたそんなにすごい悪魔なの? ただのインキュバスじゃなくて? まあどちらでもいいけど」
 押し倒されたというのに悪魔は慌てることなく、涼しい顔だ。逆にジータがどのようにするのか楽しんでいるようだ。
 ジータは悪魔の言葉に首をかしげるも、今はどうでもいいのか彼のガッシリとした太ももに触れると、思い切り持ち上げた。
 下半身を持ち上げ、彼の陰部がよく見えるようにしてやる。悪魔の目と鼻の先にある恥部。恥ずかしい体位ではあるが、悪魔は羞恥心よりかも興奮から息を荒げ、白い肌に赤い薄化粧を施す。
「キミ、男を抱いたことがあるのかい?」
「ないよ。でもココは丁寧に慣らしたほうがいいんだよね? 友達から勧められた漫画に描いてあった」
「ハッ、どんな漫画だよそれっ、オレにも教えてほしいものだね、っく、」
 舌をべぇっ、と出し、本来ならば出口である窄まりに顔を近づける。唾液を垂らし、皺を一本いっぽんなぞるように舌を這わせれば、触れている脚が震えた。どうやら気持ちがいいようだ。
 チロチロと細かく舌を動かしながら両手の指で穴を広げる。狭い入り口からは赤い粘膜が見え、突き出した舌をねじ込む。
 そこまで舌は長くないので入り口付近をペロペロと舐め、悪魔はくすぐったいのか喉の奥で笑う。
 それが面白くなくて、ジータは両手を使って広げていた穴を片手だけにすると、自由になったほうの手をガチガチに勃起したペニスへと伸ばす。
 ちゅこちゅこと手コキをすれば、ロンググローブが悪魔のカウパーで濡れ、黒光りし始める。少しばかり強い力で扱かれているため、痛みを感じるものの、直接的な快楽に悪魔の顔が歪む。
 その顔を見たジータの中に加虐心が膨らむ。見目麗しいからか。この男の顔が歪むのをもっと見たいという欲求が溢れてくる。
 悪魔の熱い吐息を聞いているとどうしようもなく昂ぶる。これもインキュバスの魔力のせいなのか。それとも、生えてしまった影響なのか。
 熱に浮かされ、ボウっとした頭で思い、ジータは舌と手の動きを早めた。尻穴は大量の唾液で濡れそぼり、淫らな器官は精を吐き出す準備に入る。
 荒くなる悪魔の呼吸。ジータは彼が射精する寸前に思い切り前方へと体重をかけ、はち切れた欲望の塊が悪魔の顔へとブチ撒けられた。いわゆるセルフ顔射だ。
 白濁に染まる端正な顔を見てジータは楽しそうに笑う。こんな性格だったっけ? と自分でも不思議に思うくらいの変わりようだ。
「カッコイイ顔が自分のザーメンでベトベトだねぇ♡ なんか興奮しちゃう♡」
「本当にとんでもないヤツに喚ばれちまったようだ。くくっ、だが退屈しのぎにはちょうどいい。ほら、さっさとソドミーキメちまおうぜ?」
「言われなくても♡ あっ、そうだ。あなたの名前、なんていうの? 私はジータ」
「オーケイ、ジータね。オレはベリアル。……その顔だと本当にオレのことを知らないみたいだな。マァ、人間界にこの姿ではほとんど来ないからな」
「ベリアル……。うーん。聞いたことあるような、ないような……。まあいいや。じゃあベリアル、私の童貞もらってね♡」
 記憶の片隅に引っかかるものはあるが、正確な記憶は引き出せない。あとで調べることにし、ジータはいま、この状況に集中することにした。
 今にも暴発しそうな昂ぶりを男の受け入れる場所に突っ込みたい。ただそれだけが脳内をいっぱいにする。
 男相手の性交にも慣れているのか、ベリアルはニヤリと余裕の笑みを浮かべて誘ってくる。
 ジータも彼の余裕に遠慮など一ミリも要らないようだと安心し、自分の熱を手にすると、先端を矮小な穴へと添えた。狙いを定め、一気に腰を進めるとキツいのは最初だけだった。
 入り口を通り過ぎると空間が広がり、温かな粘膜で包まれる。まるで母の胎内に還ったようだ。
「んお゛ッ……! フ、フフ……童貞卒業オメデトウ。いいぜ、そのまま動いて……オイオイ、本当にガツガツくる! オレをただの穴扱いかよ!」
「え? だってインキュバスって淫魔、つまりこういうコト好きでしょ? はぁ、あなたのナカ、すごくあったかくて気持ちいい♡ 私のせーし欲しいって、ちゅうちゅう吸い付いてくるよ♡ お望みどおりいっぱい出してあげるからね♡♡」
 目と頬を興奮の色に染め、ジータは律動を開始する。その動きはベリアルを気持ちよくする──と、いうよりかは完全に自分のオナニーのために動いていた。
「ぉごッ、お゛ッ♡ そこ、ぜんりつ、あ゛ぁ、ッお゛♡ このオレがっ、ただの小娘なんかにぃぃ゛っ!」
 童貞丸出しの動きながらも力強い抽送にベリアルは頭部を仰け反らせ、獣の如く吠える。
 数々の性行為を経験してきたであろうインキュバスが突然生えてしまった女に蹂躙され、涙を流しながら善がる姿にジータは悦を感じていた。
 抜ける寸前まで腰を引けば粘膜も引きずられ、それを押し戻すように最奥まで串刺しにする。男のイイ場所は未だに分からないが、こうするとベリアルは啼くし、自分も気持ちいい。
 無遠慮に腰を打ち付け、肉と肉がぶつかる生々しい音が部屋に広がっていく。
 ベリアルの肉筒にペニスを扱かれ、張り詰めるような感覚にジータは己の限界を悟った。早すぎるのかは分からない。なにしろ性行為自体これが初めてなのだから。
「出るっ、出ちゃうっ! なんなのコレ気持ちよすぎぃぃっ! 出すからね! ベリアルの奥にお腹いっぱいになるまで子供の種、ビュッビュッ! ってしてあげるっ♡」
「ヤバ……イ゛ッ! 魔力が直接腹に゛っ、あ゛、あ、奥、おぐッ、ぅ♡」
「っう……はっ、射精止まんない……。ねえ、あなたイッたのに射精してないね? これがメスイキってやつ? 可愛い♡」
 反応からして達したようだが、射精は伴っていなかった。友達から借りた漫画にもそのような描写が入っており、たしかメスイキと呼ばれていたな。と、ジータは思い出す。
 綺麗な顔を真っ赤に染め、まなじりに分泌液を浮かべ、肩で深い呼吸を繰り返すベリアルを見て視線を腹部へと移す。
 男性らしい筋骨隆々な肉体。それに浮かぶ紋様が酷く艶かしい。
 己は女であるはずだが、男のような情動に突き動かされる。ベリアルのなめらかな肌を白い体液で汚したい。自分のモノで汚すのもいいが、彼自身のモノで染めたい。
 射精したというのに萎える気配のない欲望の塊を抜かずのまま再度穿つ。不意打ち的な衝撃にベリアルは喉を反らせ、ケダモノの声を上げた。それを聞くと子宮が疼き、もっと聞きたいという欲求が芽生える。
 手綱を握るようにベリアルの両手首を握り、自分のほうに引っ張りながら刺突を繰り返す。動くたびに内部がジータの雄汁とそれに多分に含まれる魔力を得ようと蠢き、彼女は狂ったように腰をぶつける。
 天井を仰ぐ彼女は快楽の涙を流し、蕩けた顔で舌を突き出しながら喘ぐ。唾液も口から溢れ、顔を汚す。気持ちよすぎておかしくなりそう──否、もう既におかしくなっている。
 部屋に二匹分の獣の声が溢れ、外が大雨でなかったら漏れていてもおかしくはないレベルだ。
「あ゛っぁ、お、こんなっ、人間の雌ちんぽでッ、ひっ゛、いッ……ぐぅううッ……♡」
 ジータの雌の肉棒でアクメをキメたベリアルは目玉をぐるんと反転させながら、体を釣り上げられた魚のようにしならせた。
 彼女の重い一撃によって大きく揺れていたペニスからは彼の欲望が視覚化され、吐き出される。
 粘った体液はベリアルの割れた腹筋へとかかり、滴り落ちた。自分より大きく、力強い体を持つ存在の痴態にジータの心臓が痛みを感じるほどに鼓動を打ち鳴らす。
「顔もお腹も自分で汚しちゃうなんて本当に淫乱インキュバス♡ えっと、次はバックっていうのをヤッてみたいな♡」
 盛った獣のように性欲に忠実になっているジータはベリアルの返事を聞く前に抜かずのまま、体勢をうつ伏せに変えた。その際にナカをかき混ぜられ、ベリアルの声がつる。
 平均的な身長の女の子と、高身長の、しかも男性の体には体格差がだいぶあるはずなのだが、それを感じさせないくらいに軽々とした動きだった。
 ジータの前に突き出されるハリのある尻たぶ。それを指と指の間に肉が盛り上がるほどに強く掴み、種付けの準備を開始する。
 男に、しかも悪魔に対して孕ませたいと思うなんて。
 平時の自分だったらおかしいと腹を抱えて笑うくらいなのに、今のジータは本気でそう思っていた。理性なぞとうに吹き飛び、肉欲に従う者に変わり果てていた。
「ぉ゛おおぉ♡♡ んお゛っ♡ あ゛はッ……♡ ほらっ、も゛っと魔力を゛よこせッ、あ、ッひ♡ ィ゛いっ、」
 こうなったら魔力が枯れるまで搾り取ってやる。そんな考えが読み取れる顔をしながらベリアルは振り向き、ジータを挑発する。
 雄として、雌にいびつな性交をされているというのにまだそんな余裕があるのかと、ジータの背中に甘くて背徳的な快感が這い上がってきた。
「魔力ねぇ……。ま、悪魔の力の源みたいなものだからか。ん〜、ここで行き止まり? 面白いね。中身も人間みたい……あれ? まだ入る?」
「ふーっ……♡ ふーっ……イっ、あ゛っ!? やめろ、そこけっちょ──お゛ォっ、んぃ゛いッ!?♡♡」
「はっ、ハぁっ……まだ入ったぁ♡ 先端がちゅっちゅされてるぅ! だめこれ、ッ♡♡ イッ、くぅ……♡♡」

 いったい何十時間経っただろうか。外は暗くなり、少しずつ明るさを取り戻し、降り続いていた雨もやんでいた。
 寝室には濃密な性の香りが充満し、ベッドは二人のあらゆる体液で湿り気を帯びている。
 普通ならばありえないくらいの時間が経っていたが、一糸纏わぬ姿となった二人は未だに体を重ねていた。
 人ならざる者と、底が見えないほどに深い、自らの淫欲に溺れた者同士だからできる芸当なのかもしれない。
 あらゆる体位でベリアルのナカを楽しんでいたジータだが、現在は王道の正常位で彼を激しく揺すっていた。動くたびにベッドが悲鳴を上げ、壊れてしまいそうだ。
「もう魔力要らね゛ぇから! ぬ゛けっ! ぬけっ゛たら゛ァ!! ァ、イグぅ゛!♡ ああ゛っ、ア、あアぁ゛あ♡♡」
 最初こそは自ら欲していたというのに、もう数えるのも忘れたくらいに胎内に高濃度の魔力を注がれ続けたベリアルは首を左右に振って拒絶した。本当に無理なのか、顔は余裕の“よ”の字も見られないくらいに歪んでいる。
「元がイイ顔だから自分の色んな体液で汚れたアヘ顔も似合ってるね♡ はい、たぶんこれで最後──んっ♡ う……!」
「ぃ゛、う……ッ♡ ……っ、イぐ、ぅッ゛……♡♡ こ゛んな、ハズ、じゃぁ……♡」
 これで最後だと熱いドロドロ液を体に刻み込むと、根本まで隙間なくぴったり咥えさせたまま、軽く腰を揺り動かしたのちに引き抜いた。
 真っ赤に腫れた穴からは栓をするモノがなくなり、大量の白濁が漏れ出す。
「あっ、消えたー! ありがとう、あれ? 気絶してる? ──えっ、ウソ、丸一日ヤッてたの!?」
 体を支配していた熱が引いていき、思考が明瞭となる。ベッドに沈む悪魔は目を閉じ、ぐったりとして動かなくなっていた。だが、未だにピクピクと体は反応しており、それが無性に愛おしさを感じる。
 魔法の失敗で生えてしまった男性器が消えたことに喜んでいると、ふと、外の明るさに気づいた。
 窓へと顔を向けると、柔らかな日差しが部屋に降り注いでいた。まさかと思い、机の上に置いてある日付けも表示されるタイプのデジタル時計を見て、ジータは目を見開く。飲まず食わずの状態で今まで悪魔を喰らっていたというのか。
「さすがの悪魔も気絶しちゃうか〜。私の魔力をいっぱい飲み込んでお腹タプタプだもんね」
 ぽっこりと膨らんでいる腹部を軽く押すとジータの形を覚え、元に戻ることができない肉穴から精液がゴポリと溢れ、流れ落ちる。

 場所は変わり、地下室。ジータが叩き付けられた本棚にはかろうじて棚に引っかかっている本があった。
 今にも落ちそうなそれは意思を持っているかのように揺れ、重力に抗うことなく床に落ちる。
 開かれたページには悪魔の説明が書かれているようだった。肝心の悪魔の絵は描かれておらず、文章のみが綴られている。
 ──ベリアル。悪魔たちの王である魔王ルシファーの右腕である最上位悪魔。魔界の実質No.2である。