所長にこき使われて辛くて悲しくてめそめそしている私をよしよししながら手コキしてくれる優しい補佐官の話

 所長から命令された魔物たちを揃えることができた私は、やっとの思いで研究所に帰ってきた。魔物を殺して数を揃えるならまだ簡単だけど、生け捕りにしなくちゃいけないからとっても大変。けどやり遂げた。
 自分で自分を褒めながら所長に報告するために執務室を訪ねたけれど、いなかった。ここにいないとなると実験場か。
 ふう、と息を吐き、改めて実験場へと向かう。そうすれば予想どおり所長はいた。無機質な作動音を鳴らす機械たちに埋もれながら、私に背を向ける形で机に向かい、なにかを書いている。
「所長。言われたとおり魔物を揃えて参りました」
「そうか。五番倉庫へ運んでおけ」
「……分かりました」
 このクソ野郎。と、本当は口に出して言いたいけど我慢する。この人、天才的な頭脳の持ち主だけど、興味のないものにはとことん興味がないから……。
 でも一言くらいねぎらいの言葉をかけてくれてもよくない!? 感情なんてこもってなくていいし、私を見なくてもいい。ただ一言「ごくろう」って言ってくれればそれでいいんだ。
 実験場をあとにし、がっくりと肩を落としながら魔物たちを倉庫へと運び、私は居住区にある自分の部屋に帰った。
 疲れたとソファーに沈み、ボーッと天井を見上げる。今はなにもしたくない。とにかく心身ともに疲れている。
 あぁ……なんだか眠くなってきた。このまま寝ちゃおうかな……。
 そう思って意識を手放そうとしたとき、部屋にノック音が響き渡った。私を訪ねてくる人はまずいない。もしかして所長の依頼でなにかミスをしちゃった……!?
 心臓をバクバクさせながら扉を開ければ、目の前には真っ白な軍服に包まれた上半身。顔を上げれば、なんと憧れの補佐官さまが慈愛に満ちた(ように見える)顔を浮かべながら立っていた。
 所長補佐官ベリアル。彼は所長に造られた第一世代の天司であり、元天司長副官。そう。私が所長の無理難題をこなし、あの振る舞いに我慢していられるのはこの方の存在があるから。
 いつも物陰からこっそり見ていた憧れの人。一度も話したことはないけど、この方と同じ職場で働けるからこそ頑張れた。
 でもそんな人がヒラ研究員である私になんの用だろう? やっぱり、納めた魔物に問題が……? 想像して顔が青くなる。
「帰ってきたばかりで悪いんだけど……この魔物たちも揃えてもらえるかい? 急ぎなんだ」
 どうやら私の思った展開とは違うようだ。そこに安心しつつ、渡されたリストを見て私はその場で崩れ落ちた。
 リストに記されている魔物の数と、その魔物の中にレア魔物も混じっていることに涙が止まらない。
 あんまりだ。あの魔物たちだって苦労して揃えたのに、また行かなければならないなんて。しかもレア魔物……探すのがまず大変すぎる。
「……大丈夫?」
「うぅっ……ひっぐ、つらいですよぉ……誰も労ってくれないのにっ、急ぎでこの数を揃えないといけないなんてぇっ……!」
 補佐官の前だというのにめそめそしていると、頭を撫でられた。大きな手をフード越しに感じ、私は顔を上げる。
 すると、片膝をついて視線を同じ高さにした補佐官が頭をよしよししてくれていた。思考停止の私。
「その気持ち分かるよ。頑張っているのに誰にもなにも感謝されず、ねぎらいの言葉さえないのは辛いよな? オレがキミを労ってあげるよ」
 所長と違って補佐官は優しい。しゃっくりを上げながら私は頷き、補佐官を部屋の中へと招いた。
 ソファーに隣同士に座り、「頑張ったね」と頭を撫でられていると、なにを思ったのか補佐官は私を胸に抱き寄せてくれた。
 ヤバい……! 補佐官、いい匂いがする……!
 本当はスーハー! スーハー! と鼻息荒く肺いっぱいに補佐官の香りを吸い込みたいけど、妄想に留めておく。実際にして引かれるわけにはいかない。
 さらに頭部を撫でながら背中を優しく叩かれる。まるで子供をあやす母親みたいに。あまりのバブみにオギャりたくなる。
 それだけじゃない。布越しでも分かる補佐官のおっぱいの膨らみに私の別の場所が膨らんでしまう。そもそもなぜ男性なのに豊満な胸をお持ちなのか。所長の趣味?
 女とは違う膨らみだけれど、男性としては巨乳の部類に入るであろう双丘に私の股間が熱くなる。そう。私は女の体でありながら男性器も付いているふたなりなのだ。
「おやぁ……? 噂で聞いたことあるけどキミ、本当にふたなりだったんだねぇ」
「ひぅ……ゴメンナサイ……! 補佐官でおっ勃ててごめんなしゃぃぃ……!」
「構わないよ。フフ……ここも労ってあげるよ」
 体を離し、ローブの上からでもはっきりと分かる屹立に補佐官は目を細め、口元を緩くカーブさせる。まさかそんな噂があったとは驚きだ。でもそれ以上に憧れの人に見られているということに頭がクラクラしてくる。
 恥ずかしさで涙が込み上げてきて、視界が歪む。
 謝罪する私を見て補佐官は優しく微笑むと、ローブの上から勃起ちんぽをナデナデし、片手を服の中に忍ばせた。あの〜、一応わたし、女なんですけど……。いや、あの補佐官に触ってもらえるんだ。そんなことどうでもいい。
 グローブに包まれた補佐官の大きな手でちゅこちゅこと手コキをされ、嬉し涙で顔がぐちゃぐちゃになる。
 自分でシコるのと全然気持ちよさが違う! 他人の手でされるとこんなにもイイの……? いや、違う。補佐官だからだ。
 憧れのこの人が私のちんぽを触っているっていうのに酷く興奮しているんだ。他の人だったらこんな気持ちにならない。その前に触れさせない。
「ひっ、ひぃぃっ……! 補佐官のっ、ほしゃかんの綺麗な手が私のチンポごしごししてるぅぅぅ♡」
「なぁ……もう少しファーさんのために頑張ってくれるよな……? ファーさんのためになることをしてくれると、オレも嬉しいよ……」
 激しい手淫をしながら耳にねっとりと囁かれ、我慢汁がドバドバ出てしまう。こんなの耐えられるわけがない。
 極度の興奮でなにも考えられない。舌も回らず、自分でもなにを言っているのか理解できない。
「頑張るっ! がんばりましゅぅぅぅ! ほしゃかんのためにぃっ! すぐに集めてきましゅうぅっ!」
「イイ子だね……。ほら、オレの手に出してもいいよ」
「あ゛ぁぁ゛ぁっ! 射精るっ! ほしゃかんしゃまの真っ白な手にドピュドピュしちゃうぅぅっ!!」
 お慕い申し上げている方に極上の手コキをされ、私は呆気なく達してしまった。もともとの疲れもあり、ソファーの背もたれにぐったりと倒れ込んで息を荒げていると、補佐官は白濁まみれの手を見せつけるように舌で舐めとっていた。
 唾液で濡れそぼった真っ赤な舌を這わせ、私の精液を舐めている。赤に交じる白があまりにも卑猥すぎて、鼻血が垂れてきた。
「フフ……いっぱい出たねえ? それじゃあファーさんのために魔物集め、よろしく頼むよ」
「は、はひっ……♡」
 手で鼻を押さえていると、補佐官が立ち上がった。私に向かって頼むよと茶目っ気たっぷりにウィンクすると、汚れていないほうの手をひらひらさせながら行ってしまった。
 実際の時間としては短かったけど、すごく長く感じたひととき。このあとすぐにシャワーを浴びて体を清め、当日中に魔物を揃えたのは言うまでもない。