六徹目のファーさんにコアを弄られて母乳が出るようになってしまったベリアルが姉ジータちゃんに吸った揉んだされながらあまらぶソドミーする話

 研究所の硬い廊下を一定の靴音を鳴らしながら歩いている星晶獣がいた。見た目は少女の姿をしているが、中身の年齢は第一世代の天司であるルシフェルやベリアルよりも上だ。
 彼女の名前はジータ。天司の前身として造られたヒト型星晶獣だが、その特異性から廃棄をまぬがれ、現在は研究所所長のルシファーの身の回りの世話をするという役目を得ている。
 ルシファーに命令された用事が終わり、自分の部屋に戻るために歩いていると前方──ちょうど自室の扉の前に立つ白い軍服姿の男が目に入った。
 煤竹すすたけ色の髪を持ち、その肌は女性よりも白く、なめらか。目の窪みに嵌められている二つの紅い宝玉は人や獣を虜にしてしまう。
 彼の名前はベリアル。狡知を司る天司であり、過去には天司長副官を勤めていたが、現在は所長補佐官として研究所で働いている。
 ルシファー付きの獣であるジータとは毎日顔を合わせ、一緒に造物主の世話を焼いている間柄だ。
 そういえば今日はまだ彼と会っていなかった。先ほどルシファーのいる執務室に行ったときも彼はいなかったのだ。
 補佐官としてルシファーのそばにいるのが当たり前であり、また、ベリアル自身もそれを望んでいるはず。それなのにいなかった。
 ルシファーに聞いても興味がないことにはとことん興味がない人なので、『知らん』と素っ気ない答えしか得られなかった。
 そんな彼が自室の前にいる。いったいどうしたのだろうか。
「どうしたの? ベリアル。私になにか用事?」
「あぁ……ちょうどよかった。実は、ね。キミに頼みたいことがあるんだ……」
「立ち話も難だし、部屋に入って? 紅茶を淹れてあげる」
 すれ違う誰もが一度は振り返るほどの美形を曇らせ、歯切れの悪い会話をするベリアルを見てジータはなにかあったのだと察し、にっこりと優しい姉の表情をすると、見た目だけは年上の弟の手を取って室内へ。
 部屋の大きな窓には外から中が見えないように反射魔法が織り込まれた白く、薄いレースカーテンが引かれ、太陽の日差しを柔らかなものへと変えながら部屋を明るく照らしている。
 インテリアはアンティーク調の物で揃えられ、高級感がありながらもゆったりとくつろげる空間になっている。
 ローテーブルを挟むように置かれているのは赤いベルベット素材でできたソファー。三人ほど同時に座れるほどの長さがある。
 その一つにベリアルを座らせると、ジータは紺色のスカートの裾を揺らしながらキッチンへと通じる扉の向こうに消えていった。
 その間ベリアルは深刻な表情をしながら太ももに両腕の肘を乗せ、組んだ手を額に当てていた。
 普段は余裕たっぷりの表情しか見せないベリアルなのだが、今回は別のようだ。
 大きく息を吐き、顔を上げると周りを見渡す。副官時代、ジータが星の民相手にその身を使わせていたことを知り、それをネタに迫ってみたら逆に激しく抱かれ、雌にするはずが逆に雌にされた。
 翌日は足腰が立たず、この部屋の隣にあるジータの寝室から動けなかった記憶が蘇る。
 彼女は両性具有だったのだ。ベリアルたち天司が造られる前にルシファーの実験に巻き込まれ、生えてしまったモノ。コアを弄っても消えず、物理的に切除しても再生してしまい、現在に至るまで残り続けている男性器。
 それからは彼女に性的な刺激を与えないように過ごしてきた。ジータも特に迫ってくる……ということもなく、みんなの姉として、愛しい弟妹の一人として普通に接してくれた。
「お待たせ。アップルティーだよ。口に合えばいいけど」
 白にピンク色の薔薇がデザインされているトレイに、同じ作りのポットにティーカップ、そしてソーサー。
 ジータはテーブルにトレイを置くと、淹れたての湯気が立ち上るカップをソーサーごとベリアルの前に置いた。
 飴色に輝く飲料からはほんのりと甘く、上品な香りが漂う。
 反対側の席に自分の分を置くと、ベリアルと向かい合うようにジータはソファーに腰を下ろした。
 どこか元気のないベリアルを気にしながらも紅茶を口にし、香りを楽しむとカップを置く。
 カチャ、と小さな食器の音が鳴り、同じように紅茶を口にするベリアルに対して口を開いた。
「それで、なにかあったの? あなたらしくない、深刻な顔をしているようだけど」
 薔薇の入れ物を皿に戻すと、ベリアルは半分ほど目を伏せた。柔らかで豊かなまつ毛がふるりと震える。
「昨日、六徹目のファーさんを風呂に入れただろう?」
「うん。覚えているよ。さすがに不衛生だし、一度寝かせたほうがいいと思ってあなたにお風呂をお願いした」
 ジータは昨日の出来事を振り返る。研究や実験に集中すると他が疎かになってしまう我が主。目の下のクマも酷く、いい加減に一度止めたほうがいいとベリアルと話し合って身を清めるのを彼にお願いした。
 その間にジータはベッドを整え、いつでも眠れる準備をし、寝かせた。それだけで特に問題はなかったはずだが……?
「実は浴室でファーさんにコアを弄られてね。そのときはただコアに触れられただけかと思ったんだけど……」
 ここまで言って、ベリアルは言い淀む。本当に彼らしくない。いったいなにがあったというのか。
 純粋にジータは心配になり、席を立つとベリアルの真横に座った。安心させるように彼の手を両手で握り、なんでも言ってと慈愛に満ちた微笑みを浮かべる。
「ハァ……笑わないでくれよ。オレだってまさかと思ってるんだから……」
「笑ったりなんかしないよ。だから安心して」
「実は……母乳が、出るようになってしまったんだ」
「ぼ、母乳……!?」
 まさかの言葉にジータは目を丸くし、口をあんぐりと開けたまま閉じることができない。
 ベリアルは実際に見てもらったほうがいいと思ったのか、上着の前を開けると、黒のインナーを捲くり上げた。
 筋肉質でガッシリとした半裸がジータの前に晒される。ルシファーが時間をかけて造形した美しい体。一つだけ妙な部分があるとすれば、胸部を白い布で巻いていることか。
 それを取り去ると、胸と接していた部分の布が少しばかり濡れていた。母乳が出てしまうのは冗談ではなく、本当のようだ。
 現に彼の胸は普段より少し膨らんでいるようだった。
 ジータ自身、ベリアルの胸は一夜を共にした日と、ルシファーの代わりに定期メンテナンスをするときにしか見ていないが、違いがよく分かった。
 もともと男にしては巨乳の部類に入るであろう胸をしていたが、ここまで膨れてはなかった。それに心なしか張っているような気がする。
「まったく。連日徹夜したファーさんはナニをしでかすか分からない。さらにオレを弄くり回した記憶もないときた。今日の朝、異変に気づいたオレが元に戻してほしいと言ったら彼、なんて言ったと思う? 知らん。ジータに直してもらえ。だって」
「あぁ……そういうこと。本当にお父さまったら……。うん。いいよ。直してあげる」
「直せるのかい? まぁ、彼のそばで色々見てきたキミなら不思議じゃあないか」
 ベリアルの言葉にジータは「違うよ」と苦笑し、首を横に振った。
「お父さま、前科があるの。あなたたちが造られる前、私も同じことをされた。本当になん日も徹夜したお父さまは怖いよね」
「……へえ。そのときはどうしたんだい? ファーさんが元に戻してくれた?」
「うん。でもその前に溜まったお乳を出すのが先だって言われて、最初は自分でやるように言われたけど怖くて、結局はお父さまに搾ってもらった」
「彼、性的なことに興味ないはずだけど?」
「そうだよ。後ろからただ機械的に手を動かし、溜まった母乳を体外に放出する。それだけ。そのあとコアの設定を元に戻してもらって、おしまい」
「キミは……気持ちよかった?」
「……ベリアルのえっち」
 頬を染め、恥じらうジータは情欲を刺激する顔をしている。
 その顔で見つめるのはベリアルのぷっくりと腫れた薄紅色の可愛い飾り。
 ついつい性的な話をしてしまったベリアルはしまった……! と焦る。コアの設定を元に戻してもらえば済む話だが、今の会話的にその前に搾られるのではないか? と。
 ジータが普通ならばぜひともお世話されたいが、下手に刺激すると前回の二の舞いになりかねない。それだけは回避したい。
「ベリアルのおっぱい、パンパンに張ってるね。少し滲み出てるし。……どんな味なのかな?」
「じ、ジータ、っう……!」
 誘われるようにベリアルの胸に口付けると赤ん坊のように吸い上げる。口内に少しずつ満たされる白い血液は、ジータの思考を蕩けさせる味をしていた。
「んっ、ん、おっぱい美味しいよ、ベリアル……」
 赤子時代なんてないはずなのに、母乳を吸っていると妙な気持ちが溢れてくる。甘えたくなる。年下の彼に。
 もう片方の膨らみは手で揉み、真っ白な体液がいくつもの線となって排出される。
「射乳は気持ちいいでしょう? ベリアル」
 射精とはまた違った快楽。男性器を持つジータだからこそ分かる感覚。
「はっ、ぅ、ジータっ……! ここだと汚れる……!」
「そんなこと気にしないでいいの。コアを弄る前にベリアルのおっぱいみるく、いっぱいぴゅっぴゅしようね?」
 頬を林檎色に染め、ドロドロに溶けたチョコレートの瞳をベリアルへと向けながらジータは笑う。今の彼女の顔は姉ではなく、ベリアルに欲情する一人の女だ。
 目を閉じてちゅうちゅうと音を立てながら甘露で喉を潤し、ベリアルの柔らかな胸を思うがままに揉み、その触り心地を楽しむ。
「ん……?」
 不意に感じた髪を撫でられる感触。下げていた瞼を気怠げに上げれば、ベリアルが口元を三日月の形にしながらジータの頭を撫でていた。
 まるで甘える子供を慈しむ母親のよう。天司たちより早くに造られたジータが自分より後に生まれた存在にすることはあっても、自分はしてもらうことなどなかったこと。
 彼女の親であるルシファーにそんな情があるわけがなく、初めてのことに胸がきゅぅ、と苦しくなり、甘い香りが漂う彼の胸に顔をうずめる。
 両手で大きな背中を抱くと「もっとしてほしい……」と消え入りそうな声で呟く。
 するとベリアルは無言のまま、彼女の願いを聞き入れた。三つ編みにされた指通りのいい金色の糸を梳きながら片手は背中へ。一定の速度で叩かれ、コアが熱を帯びる。
 ベリアルの手に感じ入っていたジータは動きを再開させた。今度は逆の乳首を口に含み、彼の甘いつゆを得ようと口内を動かす。
 唇を窄め、ジュッ、ジュッ、と吸うと溜まっていた母乳が勢いよく溢れ出してジータの口の中を満たす。吸い尽くすような激しい動きにベリアルも耐えられず、甘さを含んだ喘ぎを漏らし始めた。
 以前ベリアルを抱いたときとは違う嬌声にジータの腹の奥が切なくなる。どうしようもなく彼が欲しい。彼のナカに包まれたい。
「下のほうのミルクも搾ってあげる」
 視線を下へ向けると股間部分の布が三角のテントを張っていた。窮屈なソコから解放してあげようと素早く彼のズボンを寛げると、雄の象徴が鎌首をもたげる。
 太い砲身は赤黒く、血管が浮き出ている。グロテスクながらも愛おしさを感じるベリアルの分身がしっかりと勃起しているのを見て、ジータは満足そうに頬を上げる。
 たらりと垂れ下がっているほうのベリアルの手を取ると、ジータは己のスカートの中へと忍ばせた。
「私のも触って……?」
 スカートの上からでも分かる不自然な膨らみ。今は布に隠されているので見えないが、ジータの持つ男の性器はベリアルと同じくらいに立派なモノだった。
 普段はそんな凶悪なモノがあるとは感じさせない、女性らしい振る舞いをする彼女だからこそ、そのアンバランスさが際立つ。
 ジータに導かれるままに触れた屹立は酷く熱く、グローブ越しに分かるほどに脈打っていた。硬くて太いジータのペニスに貫かれ、蹂躙されたときのことを思い出してベリアルの尻穴が疼く。
 ジータもまた、ベリアルと初めて繋がったときのことを思い出していた。
 彼女にとってセックスはとても退屈で、つまらない、苦痛すら感じる行為だった。それもそうだ。ルシファーの研究資金を援助してもらう代わりに、星の民の男に男性器を差し出しているだけだったのだから。
 それがひょんなことでベリアルを抱き、初めてセックスの気持ちよさを知った。また挿れたい。挿れて、ベリアルを啼かせたい。彼の嬌声はたまらなく心地いい。
 頭と体が酷く熱い。ボウっとしてまともな思考ができない。そんな脳内を支配するのは色欲のみ。この感覚は──そう。まるで魅了をかけられたような。
「ベリ、アル……私に、魅了を……かけた……?」
「まさか。そんなことするわけないだろう」
 狡知ではなくて色欲を司っているのではないかと思うほどに乱れている彼だが、前回の行為だけは避けたいので自らトリガーとなるようなことは絶対にしない。
 しかし今のジータの目は魅了状態の者と同じ目をしている。甘やかな熱を孕み、ハートが幻視できるほどの。
「はぁ、ぜんぶ、熱い……ベリアル、べりあるぅ……」
 コアの温度が急激に上昇し、とにかく熱くて仕方がない。ジータはベリアルの怒張を片手で掴み、上下に扱きながら性欲に忠実になる。手を動かす間も彼のあまーいミルクを吸うのを忘れない。
 吸っても吸っても枯れることを知らない源泉。欲しくて欲しくてたまらない。
「ふぁ……?」
 ベリアルの豊満な胸に集中していると、急に横抱きにされ、下半身を覆う暗い色のスカートを捲られた。顔を出すのは限界まで張り詰め、我慢汁を涎のように流すジータの男根。
「おそらく……オレの魅了の力が母乳の中に含まれているんだろう。だからキミは魅了状態になってしまった」
「あっ、んん、やぁっ……! ベリアルの手っ、おっきくて、ひぅぅ!」
「フフ……こういうプレイも悪くないだろう? いつも甘えさせるばかりで甘えることをしないキミだ。今日くらいはオレに甘えていいんだぜ?」
「甘えて……。んっ、ん……」
 考えることを放棄した夢遊病患者にベリアルは優しく甘言を囁き、ジータの首の後ろに回している腕をふっくらとした胸板に寄せた。すると乳飲み子のように吸い付き、魅了の甘露をジータは体内に吸収していく。
 ジータに授乳しながら、ベリアルは彼女をイカせようと昂ぶりを手に包み、上下に動かす。
 その度に溢れるカウパーが、彼のグローブに包まれた手を陰茎とともに濡らしていく。
 ベリアルがこのような行為に出た理由はヌくことでジータを落ち着かせること。彼女が冷静になったら母乳を自分で搾り、空にしてコアの設定を元に戻してもらう。
 あのままジータ優位でされていたらまた主導権のないセックスをされてしまう。それはいいとしても、足腰が使い物にならなくなるまでされるのは回避しなければ。
「っく、はっ……ぁ」
 ベリアルの顔に興奮の赤みが差す。彼がジータのモノを責めるように、ジータもベリアルの肉塊を同じように動かしているからだ。
 広い部屋に二匹の獣の熱のこもった喘ぎ声が広がっていく。互いの声がまた興奮剤となってさらに大きくなっていく。
「ベリアルっ! 気持ちいい、気持ちいいよぉ!」
「は……っ、オレ、も……達するっ……!」
 ジータの腰が浮き、涙やら唾液やらでぐちゃぐちゃになった顔をベリアルの胸に押し付ける。性的な淀みに満ちた渦が二人を包み込み、淫楽を昇華させると鈴口からそれぞれ精を噴き出し、ジータの服を粘った液が汚した。
 吐精に震えながらベリアルは視線を眼下へ向け、腕の中で震える少女型の星晶獣から目を離せなかった。前回は彼女のこんな顔は見れなかった。
 受け身になったジータは信じられないほどに堕ちた雌の顔をしており、ベリアルの雄の欲を刺激する。
 だが、この先をしてしまおうかと迷った数秒が彼の命取り。
「なっ……!?」
 ベリアルが気づいたときにはジータに担がれており、下りようとしても腰に回された腕はビクともしない。
 そのままズンズンと向かうのは寝室。ジータは乱暴に扉を開けると閉めるのも忘れ、大きなベッドへとベリアルを放り投げた。
 分厚いマットレスが受け止めたので痛みはないが、普段の彼女ならば絶対にしない粗暴な行為にベリアルは俯くジータから目が離せない。
 苦しそうに肩で息をし、わずかに開かれた口からは唾液が溢れ、床を濡らす。
「うゔっ……イライラ、するっ!」
 顔を上げた彼女の表情は言葉通りの怒りの感情を宿し、身に纏っていた衣服を乱雑に脱ぎ捨てるとあっという間に裸になってしまった。
 イライラする、というのはきっと腹に向かって反り返る巨大な楔のことだろう。一度萎えた肉茎は萎えたことを感じさせないくらいに勃起していて、さらに大きくなっている。
 まさかここまで魅了が彼女を蝕むとは。ベリアルはキュン、と反応するアヌスを無視して自然と後ずさる。彼らしくないが、今のジータは“ヤバイ”のだと本能が訴えかけるのだろう。
 前回はジータに理性があったが、今のジータには理性などない。手加減のない、剥き出しの獣の欲。
「落ち着くんだジータ。今、クリアオールをかけるから」
「要らない!」
 声を荒げるとジータはベッドに上がり、ベリアルをうつ伏せに転がすとズボンと下着を脱がし、慣らすこともせずに欲望の塊を穿った。
「──ッあ゛、あ゛っ……!」
 使い込まれ、性器と化しているベリアルのソコは難なくジータを咥え込み、肉壁で包み込む。敏感なところ全部が温かいもので包まれ、ジータはやっと顔を綻ばせる。
「ベリアルのお尻っ♡ 私のをギュッってして気持ちいい♡ ずっと栓をされたかったんだね♡」
「ふぎっ……! そこばっか……突く、なぁっ!」
「嘘つき!」
 乾いた音が寝室に響く。ジータはベリアルの真っ白な双丘に向かって腕を振り上げ、思い切り叩きつけたのだ。
「ぃ……!?」
「男の子が女の子のように感じちゃう場所、いっぱいゴツゴツされるの好きでしょう!」
 もう一度、振り下ろした力のまま、張りのある臀部に向かって手を打ち付けると、ジータの手形が真っ赤になって白い肌に浮き上がってきた。
 同時に肉襞がうねり、ジータの精をねだる。
「あはっ、ベリアルのココ、叩くと緊張して私を締め付けるよ? 面白いね♡」
「ひぐっ……! ッハ、まさか……ンぁ、キミがここまで、フフッ、サディスティックになるなんてなぁ……!」
 欲に魅せられたジータはベリアルの食い意地の張った尻肉を何度も叩きながら腰を打ち付ける。彼女に激しく突き上げられ、声が上ずりながらもベリアルは自身のマゾヒズムを満たしていく。
 現在のジータは獣を剥き出しにして危険なのは間違いないが、ソドミー自体は嫌いではない。普段の優しい彼女ではきっと頼んでもしてくれないこの行為。楽しめるなら楽しみたい。
 彼が嫌なのは体が使い物にならなくなることだけ。それ以外は受け入れる覚悟はできている。
「はっ……♡ ぁ゛う、ギュウギュウって、搾り取られるっ♡ ぁ、きちゃう! きちゃうぅっ!♡♡」
「んお゛っ……! っ、はは……量、すっげ……」
 ぶる、とジータが震えるとベリアルの胎内に向かって熱い滾りがブチ撒けられ、腰を引き、萎えた熱塊を抜くとジータの形を覚えた穴からは大量の白濁が外へと溢れ、ベリアルの肌を伝う。
 信じられないほどの熱量にベリアルは感嘆するも、彼自身はまだ達していないようだ。
 首だけ動かし、ベリアルはジータを見る。相変わらず肩で呼吸しているものの、少しずつ落ち着きを見せている。表情は俯いているので分からない。
「……あれ、私……。ぇ、ベリアル……?」
「やあ、ジータ。ようやく魅了がヌけたようだね」
「私、なんでベリアルと……? っ! このお尻、私が……!?」
 顔を上げたジータは己を取り戻していた。脳内に満ちていた濃い霧も晴れ、明瞭としている。
 冷静さを得た獣は目の前の惨状に目を見張った。ベリアルのつるりとした雪肌を持つ臀部は真っ赤に染まり、少しばかり腫れているようだ。
 誰がこんな酷いことをしたのかなんて、考えなくても分かる。
 ほろりとジータの双眸からは涙が流れ、自分のしてしまったことにベリアルに謝罪を繰り返す。当の本人はまさか泣かれるとは思っていなかったのか、慌てて体を起こし、ジータを正面から抱きしめた。
「キミが我を失ったのはオレの魅了のせい。だから気にすることはない。肌だってすぐに再生するから」
「でもっ、私あなたに酷いことを……!」
「なあ、オレがどういう奴かなんて知っているだろう? プレイの一環として楽しんでたんだ。マゾヒズムが満たされたよ」
 背中を撫でながら罪の意識を薄めていると、ジータは泣き止んだ。しかし、その顔は赤く、今度は恥ずかしがるようにもじもじし始めるではないか。
 まさか、と思い、ベリアルが体を離すとジータの股間には天を仰ぐ屹立。
「イイねぇ。ソレでオレを昇天させてくれよ。まだイッてないんだ」
 体液にまみれ、妖しく光る劣情を見て舌で唇を舐めると、ベリアルは上着を脱ぎ、全裸になってベッドに仰向けに沈んだ。
 ジータも熱を解放したい気持ちと、ベリアルからの誘いを断るという選択肢はないのでおずおずと動き始める。
 正常位で貫くかと思いきや、彼女はベリアルの横に寝転び、彼の体を横向きにすると自分も同じ体勢になり、ぴったりと肌を重ねた。
 ベリアルの大きな背中にむにゅりと胸を押し付け、ドクドクと脈打つ肉棒を手で持つと、ヒクつく後孔に向かって一気に押し込んだ。
 彼の雄膣はジータが出した粘液によって滑りがよくなっていて、腰がスムーズに動く。両腕は背後から抱きしめるようにベリアルの胸に回し、濡れた胸を掴むと、肉が指の間に盛り上がった。
「まだおっぱい出るみたいだし、一緒にシてあげるね」
「あッ!? 両方はっ……、やばいって……!」
「でも出さないと。酷くしちゃった分、今度はいっぱい優しくしてあげるから」
 カリ首が内部から抜けるギリギリまで腰を引き、押し込む。ベリアルがたくさん気持ちよくなれる場所を重点的に責めながら手を動かすと、胸から体液が噴出し、ジータの手を濡らす。
 実際の量はジータからは見えないが、勢いからして少なくはなってきているようだ。
「はっ……♡ ンぁ、あっ♡ ヒッ、ぃ……!」
「気持ちいい? ベリアル」
「あぁ、いいよジータ……。ぁ、ぐっ、ん……はっ、ァ……♡」
(控えめに喘ぐベリアルも可愛いけど、やっぱり……)
「おオ゛ッ!? ジータ? ひぃ゛っ♡ ナカ、拡がって……♡」
「可愛く喘ぐあなたも好きだけど、私……それ以上にケダモノのように喘ぐあなたが好きかも」
 柔い肉に触れていた片手を下へと移動させ、ジータはベリアルの陰茎に触れた。熱を直に感じ、自分のモノもさらに膨れ、ベリアルの内部を拡げる。
 腰を動かしながら片手で母乳を搾り、残りの手で雄の象徴を上下に擦りながらベリアルを責める。敏感な部分を同時に刺激され、彼の口からはジータの望む声が出てしまう。
「あ゛っ、あ゛っっ♡ ほッ……ぉ゛、おォ゛ぉ♡♡」
「いっぱい気持ちいいね♡ ベリアル。んっ、おちんちん膨らんできたよ? 上も下もびゅっ、びゅっ、ってしようね♡」
 手の中にあるベリアルの熱源が大きくなったことに気づいたジータは彼を絶頂させようと激しく責め立てる。
 前立腺を押し潰すように律動を繰り返し、手は敏感な亀頭を捏ねくり回す。硬く膨らんだ乳首から流れる甘い体液を指で塗り広げながら刺激するのも忘れない。
 三点責めをされるベリアルは濁点にまみれた喘ぎをひっきりなしに上げながら、口から涎を垂らしていた。目も半分ほど白目に変わっている。
 激しい快楽責めを余すことなく享受し、受け止める。
 ジータはベリアルを自分の手で抱いていることに酷く高揚し、顔を朱色に変え、呼吸を荒げながら彼を責め続けていた。
「あンっ♡ はっ、だめだめダメぇ! イッちゃう! もう我慢できないよぉ!♡ ベリアルの中にいっぱい熱いの出してあげるッ♡」
「はっ、ぉ゛♡♡ ほらっ……! オレの中に、出しちまえ、よオ゛ぉ゛っ!♡ 全部、ンぎっ、アっ♡ 受け止めてやる、からぁ♡♡」
「あっ、あ、きたっ、きたぁ♡ っ、い、くぅううッ……♡」
「あ゛、ッぁあ゛ああ♡♡ アグメ゛、ぎッ、オ゛っ♡ ンお゛ッ、ほ、ォ゛っ……♡ オイ……オイ、出し、すぎ、だろぉ……♡♡」
 寝室に響く獣たちの声。熱気と性気が混じった空気は濃さを増していき──弾けた。
 ベリアルの二つの丘からは母乳を、陽根からは精液を噴き出し、それぞれ自分の肌とジータの手を汚す。
 ジータはベリアルの雄子宮に向かって量も濃さも段違いの精を放つ。ここまで至るに何回か射精しているが、魅了が影響しているのか。
 結合部の隙間から白濁が勢いよく溢れ出し、ジータとベリアルの下肢を濡らす。
 内部で精子を爆発させられたベリアルは笑いながら白目を剥き、体をビクン! ビクン! と激しく跳ねさせている。
 密着し、ぶるぶると震える二人。荒い呼吸は少しずつ落ち着きを取り戻し、熱も冷えてきた。
 先に動いたのはジータだった。体を上へと移動させ、己のなだらかな膨らみでベリアルの後頭部を包み込む。
 ベリアルの柔らかな髪に顔をうずめ、漏らす吐息は熱を孕んでいて、それの意味はベリアルの背中に当たる硬いモノが示していた。
 出したばかりだというのに、ジータはまた勃起していたのだ。
「ベリアル……私、またあなたとこうして繋がれて嬉しい。何度あなたとの行為を思い出して、一人でシていたか……」
 ベリアルに好意は抱いていたが、彼と肌を重ねるまでは自慰なんてしたことがなかった。それなのに彼と一度重ねてからはそのときの熱が忘れられず、何度その狂熱を一人で治めたか。
「まさかキミがオレをオカズに自慰していたとは驚きだ。嬉しいねぇ」
「ベリアル。お願い、あと一回だけさせて……」
 彼の答えを聞く前にジータは動き出す。体を起こし、ベリアルを仰向けにすると長い脚の間に入り込む。
 向かい合うことで見えたベリアルは全身があらゆる体液で濡れており、非常に倒錯的でジータは息を呑んだ。
 特に抵抗することなく、しょうがないなという顔をベリアルはしているので、了承の意と受け取ったジータは天高くそびえる分身を手に取ると──ひと思いに突き挿れた。
「アぁ゛ッ゛! 奥、までッ、ォ゛お♡ ふ、とぉ……ッ♡ 性欲、つよ、すぎっ……♡」
「こんなのっ、ベリアルだけにだよっ♡ あのときっ、私を誘わなければっ、こんな体にはならなかったのにっ! 一度味わったらもう忘れられないよぉッ!♡ 私をこんなふうにした責任、取ってもらうからっ♡」
 男らしく、幅がある腰を掴むと一心不乱に抽送を繰り返す。抜き挿しの度に高いカリ首が前立腺に引っかかり、ベリアルをたまらなく善くさせる。
 ジータもベリアルの肉襞がよく締まり、今にも達しそうになりながら粘着質な音を立て、内部の精子を撹拌していた。
 目尻から快楽の涙を流し、舌を突き出しながら善がるベリアルを見るジータの視線の先にあるのは、唾液で濡れそぼった真っ赤な肉。
 アレを口にしたらもっと気持ちよくなれる。そう決めつけた彼女はベリアルに頭上にある枕を敷くように伝えた。
 通常の枕よりも大きく、厚さもあるジータの枕。真っ白なそれに向かってベリアルは腕を伸ばし、手にすると、言われたとおりに頭の下に敷いた。
 頭から肩まで枕が受け止め、位置が高くなる。ジータとベリアルにはかなり身長差があるので、こうしなければキスができないのだ。
「ベリアル、舌だして……。んっ、ふぁ、きもひいいね……♡」
 ベリアルの胸に手を置きながら舌同士を濃密に絡ませる。彼の血液のような目を間近で見つめながら唾液の調べを奏でていると、もっと深く繋がりたいと思うようになった。
 胸に置いていた腕を首と頭部に回し、離れないようにすると口を塞ぎ、唾液を送り込む。ベリアルは喉を上下させながらジータから与えられるサラリとした愛液を受け入れ、飲み下す。
 ベリアルとのキスはジータの脳内物質を大量に分泌させ、多幸感をもたらす。その気持ちのまま、ぱちゅぱちゅと腰を動かせば硬くなった胸の蕾同士が擦れ合い、体全体が幸せに包まれる。
 キスをしながらなので緩い動きしかできないが、ベリアルも同じ気持ちなのか、甘い声を上げ、ジータの口内へと消えていく。
 互いに高まっていき、鼻息荒く貪り合う。
「はっ、あァ、ンん……♡ ベリアルっ、もうでちゃ、アぁっ♡」
「ほらっ……こい、よっ……♡ 遠慮せずに何度だって出し、んあァ゛っ♡ まだこんなに出るのか♡ オレを孕ませるつもりかよぉ♡♡」

 その後、ベリアルはメンテナンスルームでジータにコアの設定を元に戻してもらい、無事母乳を止めることができた。
 また、ジータもシたくなったらいつでも言ってくれとベリアルに言われ、毎日楽しく過ごしていた。
 溜め込んだ欲を一度に解放するのではなく、小出しにさせることでベリアルはジータの性欲をコントロールし、己の欲も満たすことに成功したのだ。
「予算が足りん……!」
「えっと……ごめんね? お父さま」
「なぜお前が謝る」
「あはは……」
「まあまあファーさん、オレがなんとかするからさ」
 執務室にて。ルシファーは今月の研究所の予算が記されている紙を見て嘆息した。金額が明らかに減っている。その理由をよく知っているジータは謝るも、彼女が裏でナニをしていたかを知らないルシファーは胡乱げな視線を向けるだけ。
 苦笑いするジータにベリアルは助け舟を出し、この場を収めると二人はそれぞれの仕事のために一旦退出した。
「お父さまには悪いことしちゃったかも……」
「例の星の民か」
「うん。でもしょうがないよね。あなた以外に勃たなくなっちゃったんだもの」
 ベリアルとの姦淫を繰り返してるといつしか彼以外に勃起することがなくなり、ジータが男性器を貸すことで研究資金を援助をしていた星の民との関係も終わった。
 ジータとしては気持ちよくもないし、苦痛しかない行為をもうしなくていいのは喜ぶべきことだが、ルシファーに悪いことをしたと少しだけ罪悪感があった。
「……ねえ、ベリアル。今夜またいい、かな?」
「ウフフ。しょうがないお姉サマだ。オーケイ、また夜に」
 ふと、ジータは立ち止まると前を歩いていたベリアルの赤い布を引っ張ることで彼を止めた。振り向いた彼に夜のお誘いをする彼女の目は潤み、頬は紅潮している。
 雌の香りを放つジータにベリアルは生唾を飲み込むと、それぞれのパーツの位置が完璧な顔で微笑み、屈み込むと、ジータの唇にそっと……了承の口付けを落とすのだった。