「ぐ……ッ……!」
「よしっ! 私の勝ちだね!」
荘厳な空を背景に異空間で単身ルシファーと戦い、勝利したジータは自身も多少傷つきながらも明るくガッツポーズを決める。
普段は仲間たちと一緒にルシファー戦に挑むジータだが、今回は違った。特定の素材を捧げることで天破の祈りを発動し、加護を受け大幅にパワーアップした状態でのソロクリア。
揺らめく身体から本来の姿に戻ったルシファーを見つめる榛色の眼差しには分かりやすいくらいに熱が宿り、呼吸が上がっているのは戦闘による高揚ではない。
その証拠に。
「ッ……!? 特異点、貴様……ッ……!」
地面に転がる討伐報酬が入った箱を無視してジータは完全に人の形に戻ったルシファーに歩み寄ると、そのまま両腕を伸ばし、体重をかけて素早く押し倒す。
身動きが取れないように馬乗りになると、動きを封じるように両手を頭上で一纏めにして拘束した。
敵対する人間の異常行動。そしてなにより上に乗られ、身体の動きを制限されたことにルシファーはジータを睨みつけて低い声で唸るが肝心の本人はどこ吹く風。
「ねえルシファー。どうして今回私が独りで、そして天破の祈りの加護を受けた状態でお前と戦ったか、分かる?」
「そんなものに興味はない。……大方、自らの力を誇示したかっただけだろう」
地の底から唸るような低音ボイスを受けてもなお、ジータは余裕たっぷりの笑みを崩さない。
いつも仲間たちと徒党を組み挑む少女とは別人のようだ。
「ハ・ズ・レ♡ 正解は制限時間が一時間三十分に増えるから」
言いながらジータは艶っぽく唇の端を持ち上げ、自由な方の手でルシファーの頬を撫でた。戦闘によって傷ついているため、土埃で汚れてはいるが触り心地は陶器のように滑らか。
彼女の不可解な行動にルシファーの眉間の皺はより一層深まる。
「戦いで時間使っちゃったけど、それでも一時間近くは残されているから楽しめそうだね」
「貴様はいったいなにをしようとしている……?」
「そうだよね。それを説明しないと──」
「…………!」
静かに告げるとジータはスカートを片手で捲くる。女性であるジータは布の下になだらかな丘が広がるばかりのはずだが、桃色ショーツはこんもりと盛り上がり、肉槍の尖端が大幅に顔を出しているではないか。
さすがのルシファーもこれには瞠目し、言葉を失う。
「あれ? その反応……もしかして星の世界には“ふたなり”の女の子っていない? これも空の民の進化の過程で生まれた産物なのかな。……まあ、見てのとおり私はベースは女性体だけど、男性器も持つふたなりなの」
見せつけるように軽く腰を反らし、可憐な少女に付いているのが酷く歪な逸物を美しい男の眼前に晒す。それだけで彼女の中に秘める嗜虐心が反応するのか、えくぼは深くなるばかり。
「で、ふたなりの女の子って性欲が強くて。その中でも私は特異点だからか飛び抜けているから困っちゃう。一応ふたなり向けの娼館もあって、ドラフ男性を指名するんだけど店のドラフ全員抱き潰しても満足できなくて……それで思いついたの。星晶獣なら頑丈だし、耐えられるんじゃないか、って。でも仲間にそんなことお願いできないし……。そう考えたとき浮かんだの。ルシファーなら……」
本当につらいのか、火照った顔で悩ましげに眉を寄せ、今にも零れそうなくらいに潤んだ瞳を細めながら堕天司の王に熱視線を送る。
非常に倒錯的な光景だが、ルシファーは険しい顔を崩さない。
「その身体は星晶獣の父と呼ばれるお前の最高傑作ルシフェルさんのもの。多少無茶をしても問題ない。……そうだよね? サンダルフォンには申し訳ないけど」
「下衆が……」
「まあそういうことだから。それにお前は敵だけど顔がすごく綺麗で……その顔が甘い痛苦に歪むのも見たい。────チャームボイス」
「っ……!」
半身を屈ませ、ルシファーの耳元に口を寄せると囁く技の名前。その名のとおり敵に魅了を付与する効果がある。
ルシフェルの肉体といえど全ての弱体に耐性があるわけではないのか、いくつかの弱体は効く。魅了もそのひとつに入っていた。
そして現在ルシファーは力のほとんどを使い切り、より弱体が効きやすくなっている。当然チャームボイスも。
耳元で小さな呟きが発せられた瞬間、ルシファーの肢体がぴくっ、と反応する。触れている肌越しに直に感じるとジータは起き上がり、彼の腕の拘束を解いた。
しかし魅了のせいで上手く動かせないのか、ジータに向かって伸ばされた両手は重力に吸い寄せられ、腕に纏っている鎧が虚しく音を立てる。
「くそっ……」
「よかった。魅了がよく効いてくれて。お前は寝てるだけでいいよ。勝手に使わせてもらうから」
「この身体に貴様如きが触れていいとでも思っているのか……?」
「ルシフェルさんの身体と思うと素直には頷けないけど……。はぁ……っ♡ それ以上に身体がつらいんだよね。射精したいって、おちんちんがドクドクして熱いの……♡」
湿った息を吐き出すと、ジータはどこから取り出したのか、エリクシールを一気に煽ると体力を回復させた。
さらにもう片方の手には見た目エリクシールそっくりのガラス瓶。中身は粘性があるのか左右に揺らすのに合わせて液体がゆっくりと動く。
直感的に嫌なものを感じたのか、ルシファーの整った顔が憎悪に彩られる。けれど今の状況的にはジータを煽るだけ。
まさか堕天司の王であり、空に終末を齎す強大な力を有する存在をこうも簡単に組み敷くことができるなんて、とジータは心中に渦巻く男性的な本能に生唾を飲み込む。
小瓶の蓋を開け、手のひらの上でひっくり返せばとろぉりと中身が顔を出す。透明な液体はやはり粘っこく、ジータは最後の一滴まで無駄にできないと、逆さにした瓶を上下に振って内容物を全て出し切り──そのままルシファーの胸へと手を叩きつけた。
「っ……、……? は……、っう……!」
「私、言ったでしょ? 快楽に染まったお前の顔が見たいって。これ、カリオストロさんに作ってもらったの。原初獣にも効くであろう媚薬。さすがに試す相手がいなくてぶっつけ本番だけど、その様子だとジワジワと効いているっぽいね。ふふっ。潤滑剤にもなる優れ物だよ♡」
にっこりとした無邪気な笑みを浮かべながらジータは小さな子どもが遊ぶような手つきで粘性媚薬を塗り広げていく。
即効性があるのか険しいルシファーの顔が弱火でじわじわと炙られているかのように朱が混ざり、彼は自らの肉体に現れた異常に対して苦虫を噛み潰したような面様で歯噛みする。
「色事ならばベリアルとでもすればいいものを……!」
「最初はそう思ったんだけど、やっぱり先にルシファーかなーって。ふふっ、おっぱい気持ちいい?」
くりくりくり♡ と両手の人差し指でぬるぬる乳首を左右に嬲れば、媚薬と魅了効果によって鋭敏化している突起が徐々に膨らみ硬くなっていく。
「っ、ぐ……! は……ぁ、き……さまァッ……!!」
「怖い顔で言ってるつもりだけど、結構蕩けてきてるよ? ルシファー。あははっ。強気な女の子みたい」
歪む中性的な顔。いくら拒絶しても彼の意思とは裏腹に身体は素直なもの。ローションによって滑りのよくなった肌を小さな手で這いずり回る度にビクビクと振動が返ってきて、胸の中の支配欲が膨れ上がっていく。
正直ルシファーに関してはマグロ状態かもしれないとは思っていたが、その心配は杞憂に終わった。快楽物質を生み出す脳は星の民。つまり人間のまま。ルシファーが嫌がっても快楽は強制的に内側から彼を犯すのだ。
「そうだ。目隠しをするとより快感が増すって知ってる? ──ブラインド!」
追加で暗闇を付与する。ルシファーの目元は黒いモヤで覆われ、視界からの情報を遮断した。あっさりと弱体が通ることにジータは悪戯っぽい微笑みを口元に張り付けると、ベリアルほどではないものの、厚みがある胸を両手のひらに収める。
マッサージをするように円を描き、女性とはまた違った柔らかさを楽しむ。組み敷く美青年は声を出すものかと歯を食いしばっているものの、隙間からは小さな喘ぎが漏れ出ている。
今からその堅牢な扉さえ破って、彼の嬌声を聞きたいな。その欲に従うように手の動きは乳首を重点的に攻めるものへと変わっていく。
「っ……! ぐ……、ふ、ぅ……!」
薄紅の小山も今では大きな山へと育ち、親指と人差し指ですり潰したり、爪先で引っ掻いたりするだけで彼の身体はわななく。呼吸も乱れ、頬の赤みは増すばかり。男でありながら老若男女を惑わす妖艶な光景がジータの目の前には広がっていた。
「乳首気持ちいいんだ?」
「死ね……!」
「もう、素直じゃないなー。……あれ? 口では嫌がっても身体は正直だね♡ ここも硬くなってるよ♡♡」
「ッ、触るな……!」
濡れた胸を愛撫しながら片方の腕を後方へ。ボトムの裾側から内部へと侵入すれば男性の象徴が緩いながらも硬度を持ち、手に濡れる感触があったことから先端からは愛液を滲ませているのを知る。
正直ペニスは勃起しようとしまいが関係ないのだが、性に淡白な男が薬や術のせいとはいえ反応しているという現実が背徳的な痺れとなってジータの背筋を駆け、濡れた瞳ではぁっ……♡ と熱を吐き出す。
ここで新たなイイコトを思いついたジータはそのまま下へと移動し、地面に下りるとルシファーの脚の間へと体を割り込ませる。
必然的に開脚させられる形になり、ルシファーは視界を閉ざされても現在の己の姿が想像できるのか、表情からは羞恥心よりかも憎悪が読み取れた。
「これどうやって脱がせればいいのか分からないから、破くね」
敵相手だからか罪悪感ゼロの声音で呟くと、紙を千切る要領で股間部の布を破いた。すると現れるのは太い幹と小さな窄まり。思ったとおり淫棒からは色のない体液があふれ、ぴくぴくと反応を示している。
こんなにも美しい男にも男性器があるのだと考えるとどこか感慨深いものがありつつも、ジータはおもむろに片手で砲身を握った。
己のふたなりペニスに比べると小さい──と、いうよりかは、ジータのモノが大きすぎるのだが、手の内側から感じる脈動に上下にこすり始めれば、ルシファーからは拒絶の言葉に甘い声が混ざり始める。
痛みには耐えられても、快楽には弱いのかな? 性的経験に乏しそうだし、とギャップに心躍らせながらちゅこ♡ ちゅこ♡ と手コキを止めることはない。
「っあ、ぁ……、ン……ふざけるなぁ゛ッ……! 今すぐ、ふ、ッ……やめ、ろ……!」
「やめるわけないじゃない。ほら、こんなのはどう?」
卑猥に光る腹筋から媚薬ローションを両手で掬うと上は亀頭、下で陽根を掴み、それぞれ逆方向にスピンさせ、強烈な快楽を叩き込む。
ローションや先走りを周囲に撒き散らしながら先端はぐちゃぐちゃに動かす。繊細な指が高さのある雁首を滑り、時には敏感な裏筋を重点的に攻めればルシファーの白い喉が仰け反る。
「ふぐッ、っ、は、あぁ゛ッ……!! っ、ン……ポース……、」
「させないよ♡」
「ぐッ!? きさま、ァあ゛っ……!!」
一方的な凌辱行為にこれではどちらが空にとっての正義側なのか分からない。
力を振り絞り剣を顕現させ、攻撃を加えようとするのを中断させるようにジータは幹を握っていた手、二本の指を容赦なく肉縁に突っ込み、肛門側から触れることができる男の弱点を内部から押し潰す。
突如として与えられる強烈な刺激に集中は途切れ、顕現途中だった剣は霧散し跡形もなく消えてしまう。
前立腺の存在は知っていてもそれが齎す快楽をルシファーが知っているとは思えないし、実際に背をしならせた彼の様子からして知らないのだろう。
「まさかルシフェルさんの……星晶獣の身体に前立腺まであるなんて思わなかった。けど自分の作品を中途半端にはしないだろうし、お前らしいね」
独りごつとジータは男の尻穴を解すのにすっかりと慣れているように巧みに指を動かす。人間と違ってただの飾りである不浄の穴。
内部に埋まった人差し指と中指で前立腺を中心に臓器の壁を揉んでいけば、胎内の熱が心地いいと感じる。
ローションによって濡れた穴。くちゅくちゅ♡ とわざと音を立てて耳をも犯す。異物を胎内から出そうと押し返してくる肉がまるで歓迎しているように指に圧を加えてきて、こんなにも上等な処女アナルに今から挿入するのかを想像するだけで欲望にはち切れんばかりに膨らんだ股間が痛い。
「ふぅーーっ……! ぐぅぅ……あ゛ぁ、特異点、ジータ……まさか貴様が、っ、ふ……ここまで下劣な女だとは……ッ、仲間とやらが知った、ぁ゛ぐ……! ら……、随分と衝撃を受けるだろうな……!」
「別に普段はこういうわけじゃないよ? 娼館の人にも丁寧に接してるし……ベリアルだったら自分も気持ちよくなるために私に合わせて、あま〜い恋人セックスができると思うけど、お前はそういうタイプじゃないでしょ? だったら大人しくヤられててよ」
「死ね」
「はいはい……」
普段は寡黙なのが嘘のように饒舌になる彼に思わず可愛いという感情が芽生えてしまい、ジータは自分に呆れるように笑う。
お尻も直接粘膜から媚薬効果を吸収したせいか、まるで肉クッションのようにふっくらしていて食べ頃だ。彼の怒張の方もすっかりと勃起し、腹に向かって反り返っている。
無防備な姿に犬や猫が甘えて自ら腹を向けるのを思い出し、裏筋を軽く指でつつけば濁点混じりの短い嬌声が漏れ、ジータの精神を満たす。
「すっかり準備が整ったみたいだね♡ じゃあそろそろ……。そうだ、ルシファーってヴァージン?」
桃色ショーツをずらし、怒髪天を外に出すとひんやりとした外気に少しだけ身震いする。
今から遠慮無しの本気のセックス──否、自分の快楽のみを求めた欲望にまみれた獣の交尾をするのだ。
「どこまでも……っ、下劣な女だ……!!」
「その反応だとやっぱり初めてなんだ? それともこの身体では、の意味かな。……まあ、どっちでもいっか♡」
相手を壊さないようにいう名の抑圧を自らに課していたジータはそれから解放されるのだという喜びを胸に、肉の輪に先端をキスさせると……一気に極太雌肉押し込んだ。
「っひ……、ぉ、お゛、あ゛ッ……あぁ゛ぁああ゛ぁっ゛!!」
指で解したといっても魔羅とは比べ物にならない。キツキツ処女アナルは雌ペニスを追い出そうと肉壁を絡ませてくるが、熱くて柔らかな粘膜が愛撫してくることに変わりはない。
ルシファーにとって初めてのアナルセックス。しかも魅了と暗闇、媚薬という弱体付与状態での行為は苦しみを消し飛ばし、沼の奥底に引きずり込むような甘い快楽のみが彼を襲う。
少しでも悦を逃がそうと地面に指を突き立てるが、力がまともに入らないために無意味。かといって彼の性格からしてジータに縋り付くこともない。ひとりで抱えるしかないのだ。
「ルシファーの初物お尻っ……♡ 今まで経験した誰よりかも気持ちいい……っ♡♡」
砲身を進めることで開拓していき、ついに全てを肉粘膜ケースに収納することができた。後孔の輪はぎゅうぎゅうと締め付けてくるし、ナカも心地よい体温で迎えてくる。なりより堕天司の王を組み敷いている現実がジータの支配欲を刺激し、ルシファーの両脚を抱えるとまずはひと突き。
「ぐぁ゛っ……! 動く、なぁっ……! ッ゛ぐ、ふぅ゛ぅ!」
「声、別に我慢しなくていいんだよ? 聞いてるの私だけだし♡ はぅっ♡ それにしてもルシファーのお尻、信じられないくらいに気持ちいい♡♡ こんなの一回味わったらもうお前以外考えられない……!♡♡」
ただの雌に成り下がった蕩け顔でジータはひたすらに腰を振る。陰嚢が彼の臀部に当たって乾いた音を鳴らし、抽送とともに先走りとローションが混じった汁がぷしゃぷしゃと飛び散った。
ルシファーも当然逃げられるわけがなく。なんとかこの場を逆転する方法を天才的頭脳をフル回転させて思考するも、絶え間なく叩き込まれる激烈な快楽によって霧散していく。
そんな彼が刹那の思考で至った考えは声を抑えること。しかしささやかな抵抗もジータの前では無意味。
「あ、先に暗闇の効果が切れたみたい。ふふ、やっぱりルシファーの目って綺麗……。あぁ、そんなに睨んでも怖くないよ? ねぇルシファー……いま、自分がどういう顔しているか分かってる? 目は少し潤む程度だけど、顔が真っ赤。……まるで女の子みたい♡」
「き……さまァ゛っ゛……!!」
さすがの彼にも羞恥心という感情が多少は存在しているのか、二千歳以上も年下の生まれたばかりに等しい小娘に揶揄されたことで怒りやらなんやらで全身から殺気を放つが、今この場を制しているのはジータの方なので彼女は涼しい顔で掘削を続ける。
「今まで女の子はすぐに壊れちゃいそうで男の人ばかり抱いてきたけど、お前相手なら問題ないね。次は女装でもしてみる? きっと似合うよ」
無邪気な少女声で笑いながらジータは思い切り奥を突けば、ルシファーは目を見開き、可愛らしい小さな口を開きながら首を反らせた。
結腸をズン……! と突かれ、脳に直接快楽電撃が落ちた影響でガクガクと震える肉体。口からは声にならぬ声を上げ、ジータは彼の反応をじっくりと観察しながら腰を揺り動かす。
ぴったりと最奥に亀頭を擦り付け、ディープキスをしながら小刻みに刺激すればルシファーは突き上げに合わせて低い声を漏らす。
これが普通の人間ならば心配するが、身体は最強の星晶獣。この程度で壊れたりしないという安心感からジータは迫りくる射精感を我慢することなく抽送スピードを上げていく。
「はぁン♡ も、だめぇ……! 我慢できなぃぃぃ……!! ルシファー、胸で受け止め──ひぁぁぁあぁああっ♡♡♡♡」
「……──!!!!」
中出しもいいが、汚染液で穢す、というのも一興だとジータは射精する瞬間に抜去し、そのまま彼の胸に向かって白い体液を放出した。
大量のねばっこい液はジータの目論見どおり白い肌をより白く染め上げ、勢いが強すぎたために彼の半開きの口や頬にまで到達し、ルシファーは口の中の精液を強制的に味わってしまい、不快感に憎悪を募らせる。すると、あることに気づいた。
「っ!?」
「油断したな特異点……! このままその首をへし折ってやる……!」
くるりと回転する視界。襲い来る後頭部や身体への痛みにジータは今度は自分がルシファーに押し倒されたと理解する。
彼の片手は少女の細い首を掴み、力が込められていく。このままでは彼の言うとおり首を折られて、死ぬ。だがジータは死が目前に迫っているというのに無感情なまま、素早くルシファーの後頭部に腕を伸ばすとそのまま地面に叩きつける。
顔面から地にめり込む形になったルシファーの背中に馬乗りになり、あっという間に形勢逆転。
「動きを制限する魅了が切れちゃったかー。危ない危ない。けど忘れてない? お前は力を使い切った状態。私は天破の祈りの加護で力が強くなっているのに加えて、エリクシールで体力も回復した。今のお前なら簡単に抑え込むことができる。…………お仕置きだね♡」
「ッ──、」
「チャームボイス♡ 今度はありったけの魔力を込めてね♡」
ルシファーの背中に伏臥位になると、ジータは耳にぴったりと口をつけて囁いた。先ほどよりかも魔力の込められた魅了の術は無防備なルシファーに深く入り込み、起き上がろうとしていた彼から力を奪う。
「ローションも追加してあげる。カリオストロさんに数本作ってもらったからまだあるんだ♡」
心底楽しそうに言いながらジータは媚薬エリクシールを開封するとルシファーに使用するかと思いきや、未だに力強くそびえ立つ己の陰茎にたっぷりとコーティングを施し、残りは指につけて彼の雄穴の粘膜に念入りに塗り込む。
ついさっきまで極太魔羅を咥えていた穴は難なく二本指を迎え、前立腺を押してやれば身体は喜んでいるのか尻穴を何度も収縮させて締め付けてくる。
その力強さにジータは挿入したときの根本の締め付けを思い出し、飢えた獣の前に極上の餌が運ばれてきたときのように口の端から涎が出てしまう。
プライドの高い彼が敵に、しかも女に組み敷かれており、自分の意思とは関係なく淫らな声と姿を晒している。声は抑えているが身体の震えは止められず。
自然と上がる口角。まさか自分にこんな一面があるだなんてと思わずにはいられない。
──にちゃにちゃと粘性の音を立てながら数十秒。もうそろそろいいかとジータは指を引き抜くと、ルシファーの下半身が抗いようのない悦楽に振動する。
「今度は獣みたいにしよっか?♡ お前も半分獣だし」
「ッ゛っ、ぉ゛……ぐ、ふ……っ、ぅ゛……!!」
ずんっっ…………、と腰をローションたっぷりのオナホ穴に沈める。待ちに待った心地よい熱とぬるぬる感が股間から広がり、ジータはぶるりと下半身を震わせた。
食い千切られるのでは、と思ってしまいそうなくらいのアナルの締め付け。内部は入り口の拒絶に反して柔らかく迎えてくれ、時折胎内に力が入って肉砲を揉んでくる。
今まで様々な男を抱いてきた身ではあるが、その誰よりかも良いとジータは恍惚に顔を歪ませた。
「お前の身体──厳密には違うけど、信じられないくらいに気持ちいいよ。ひとつ残念なのは本来のお前の身体を味わうことができないことかな」
「だ、ま……れっ゛……!!」
顔を伏せたままの男からは苦痛の中に甘さを含む声が発せられる。フーッ! フーッ! と必死で抑えるも、抑え切れない分がくぐもった声としてジータを楽しませる。
誰が想像しただろうか。最強の肉体を持つ男が人間の少女に蹂躙されるなんて。
「んッ♡ あんッ♡ 腰っ……、とまんない……♡」
ペニスに媚薬を塗り込み、ある意味では媚薬の壺に自らの弱点を出し入れしている身なのでジータ本人も感覚が鋭敏化し、早々に射精してしまいそうになる。精液がせり上がってきて、早く出せと訴えかけてくる。
──まだまだ時間はあるし、体力だって有り余っているからいっか♡
「ぉ゛っ、……あ、ぁぁ゛っ……! ぐっ、ぅあ……、さらに太くッ……!?」
「ルシファーのお尻が……んんっ♡ ヌルヌルで、ぎゅうぎゅうしてくるからっ、はぅぅ♡ も、射精そう……! 今度はキッチリ中出し、してあげるね♡♡」
今にも暴発しそうなほどに膨張した牝ペニスは、ルシファーの胎内がギチギチになるまでの太さを誇っていた。
外部からの痛みには慣れている彼も内側からの痛苦は慣れておらず、ジータから見えない顔には汗がじっとりと滲み、透き通る青星の輝きには淫猥な光が宿っている。
「ぐッ!?」
より深く種付けするためにジータの片腕はルシファーの首へと回され、残りの腕でロックをかけるように締め上げる。少女の細いながらも信じられないほどの腕力を誇る腕はルシファーの喉を圧迫し──死にはしないものの、苦しみを彼へと与えた。
腰を高く上げ、バチュン! と一気に叩き付ければ首を締めているのも相まって締まりがよくなる。ルシファーの耳元で獣のように唸りながら貪欲に快楽を貪っていると、血と精液に混じって彼本来の香りが鼻腔をくすぐった。
涼しげで清潔な香り。平時ならばいい匂いという一般的な感想しか浮かばないだろうが、この男の胎内がいっぱいになるまで種付けをするという淫獣に成り果てた今のジータにとっては性を煽る媚香に他ならない。
「ッ゛、ぅぐ────!!」
首筋に顔をうずめながら様々な香りが綯い交ぜとなった彼の雌臭を楽しみ、最後のひと突き。腸の奥深くで爆発したように放出される白濁の勢いにルシファーは思わず顔を上げて声を上げるも、締められているために微かな声にしかならず。
胎内を白で染め上げ、隙間からあふれ出すドロドロ液は先ほど射精したばかりだというのに濃厚で、人間の女ならば種族関係なく孕ませられるのではないか? と肌で感じるほどの力強いモノ。
嫌がるルシファーだが身体は違うようで強制アクメを叩きつけられた肉体は小さな口を開き声にならぬ声を上げ、清められた水のように澄んだ瞳を白黒とさせていた。
全身を激しく痙攣させながら脱力し、顔を伏せるとそのまま動かなくなった彼を肌で感じながらジータはようやく顔を上げた。
その表情は十五歳の少女とは思えぬくらいに艶っぽく、火照った顔に満面の笑顔を浮かべると行かないでと懇願するように絡みつく愛しい雄尻から肉柱を抜去する。
栓をなくした穴からは特異点の孕み種がゴポゴポと流れ出し、二千歳以上も年上の青年が生まれたばかりに等しい人間の少女に慰みものにされているという凄惨な事実を示す。
「ふぅ、思ったよりいっぱい射精たかも。……安心して? まだまだイケるから。次はどんなプレイにしようか」
「はぁ……はぁ……」
ギラギラとした欲望の眼差しを堕天司の王へと向け、ジータはルシファーを仰向けにすると。
「あれ? 嫌がっている割には良さそうな顔してるね。なんだ。ルシファーも楽しんでたんだ。女の子に掘られて気持ちよかったんだね」
濡れた瞳の奥には強めにかけられた魅了の印が宿り、青白い肌は血色が良くなっている。開かれたままの唇の奥からは赤く艶めく舌が覗く。
揶揄されたことで眉間の皺が深く刻まれるが、その強気な態度がソソられるというもの。その顔が屈服色に染まるのが見たい。ジータは自分の中に眠る獣に笑み深めると極上のご馳走に向かって手を伸ばした。
***
──凌辱は絶え間なく続いた。邪魔が入らない空間ということでジータは抑圧されていた性欲をルシファーへとぶつけ、彼の胸元に腰を下ろすと潤みを帯びた唇に淫情の塊を押し付け頭部を固定し、そのまま喉奥へ向かって挿入。
唾液たっぷりの狭い穴にフィットする巨肉棒を噛み千切ろうとルシファーは歯を立ててくるが、力の入らない状態ではくすぐったいだけ。
人間相手には絶対にしない乱暴な行為。美しい男を思うがままに支配するという快感がジータをより高みへと至らせる。
イラマチオ以外にも寝そべった自分の上にルシファーを乗せ、騎乗位の形すると倒れぬように魔法で固定し、腰を掴んで下から激しい掘削を繰り返せばザーメンまみれの髪や顔、肉体が突き上げに合わせて揺れる。
ボロボロの状態だというのにルシファーはギリギリのところで精神だけは抗っていた。肉体はもうすでにメスに堕ちているというのに。果たして今回のお楽しみで彼の強靭な精神までも堕落させることはできるのか。
(まあ、できなくてもいいけど。これはただの性欲処理だから)
律動に揺れる身体もいいが、ルシファーの熱を感じたいと思ったジータは魔法を解いた。すると支えを失った身体は素直にジータの方へと倒れ込み、彼の小さな顔が自分の傍らにくると両腕で背中を抱きしめ射精に向けて腰を打ち付ける。
大量に中出しされ、腸内に残されたたっぷりザーメンが屹立によって掻き回され肉リングで泡立ち、残滓が肌を伝って落ちていく。
抜き挿しは射精に向けて速度を増していく。激しい運動にのべつ幕無しに発せられる掠れ気味の喘ぎ。普段は絶対に聞けない低音の甘い鳴き声に胸に熱いものを滾らせながら、ジータは彼の胎内で射精アクメを決め──快楽に酔い痴れながらも次なる行為に思いを馳せた。
***
「はぁっ……、ぁ゛ぐ……! き、さま……、いつまで……あっ、ぁ゛あ……!!」
「やっぱり王道は正常位だよね! こうしてルシファーのどろどろに蕩けたエッチな顔を見ながら腰振るとすごく気持ちよくて♡ んぁっ♡ ンッ♡♡ あははっ。こうして手を繋いでると恋人になったみたいだね? ルシファー」
度重なる行為の果てに現在ジータはルシファーに覆い被さり、ピストンをしながら彼の両手に自らを絡ませて恋人繋ぎをして楽しんでいた。
真下にある顔はさらに白く汚染されながらも、目には快楽の中に反抗心を宿したまま。精神までは屈服するものかという強い決意が読み取れる。
「ふざ……ける゛、な゛ぁ……! 俺が、ッ゛あ、貴様、などと……!」
「……ホント、ある意味ではすごいよね、ルシファーは。こんなに犯されて、全身精液まみれで身体の方は快楽に堕ちてるのに精神だけはずっと自分を保ち続けてて」
ジータ専用のちんぽケースとなっている雄肉穴は彼女の形に内部が広がり、ハメられ過ぎて抜いても穴が開きっぱなしになる始末。普通はもう心身ともに壊れているはず。それだというのにこの男は。
「あんっ♡ こんなにハメてもガバガバにならなくてキツイままだなんて。才能あるよ♡ ルシファー♡」
「ぁあ゛、あっ゛! ふ、ぅ゛っ゛、ぁああ゛あ゛ッ゛……!」
ぐぷぐぷ♡ と粘っこい音を立てながら太肉竿を細かく揺らし、前立腺をエラの張った肉傘でつつくだけに留まらず、片手を腹部に伸ばすと外からも押して圧と圧で弱点を攻め抜く。
ジータの下で釣りたての魚のように跳ねる身体。尻を犯され、男性的な快楽も多少はあったが、今ではもう役立たず。萎えたまま。ドライの快感に脳はすっかりと支配され、イキ癖がつき始めていた。
女の絶頂は長引く。今もイッている最中にアクメをしているようなものだ。
「気持ちいいの止まらないねぇ? 私も、んぁんっ♡ そろそろ……♡ ふふっ。イッてるときにお腹の奥にあつ〜〜いのをビュービュー、って射精されたら……どうなっちゃうんだろうね……?♡」
「な──や、め……、」
顔を近づけ、残酷に笑えばルシファーは目を見開き無意識に呟くも、
「んッ、ふぁぁぁっ♡♡ いっぱい射精てるぅぅ〜〜っ♡♡♡♡」
「ぁ゛がっ……ぉ゛、あ…………!」
刹那。異常な性欲によって精巣で生産され続け、無尽蔵なのでは? と感じるほどの量のザーメン汁がルシファーの身体の中で爆ぜる。
中出しされ過ぎて薄っすらと膨らむ腹部。内蔵を満たす異物に吐き気を催しながらもルシファーは強制メスイキによって目を大きく開いたまま、口を何度も開閉させて短く呼吸を繰り返すばかり。
引いては押し寄せる絶頂快感に意識を保ちつつも、脳は星の民といえど人間。止まぬ快楽によってショートしかけていた。
「ん? あー……もう時間かー」
反応が薄いルシファーから分身を引き抜く。さすがに萎え始め、熱せられた思考が冷えていくのと同時に制限時間間近になっているのを感覚的に思う。
ちらりとルシファーを見れば光を失った目からは“ようやく終わる”というわずかな望みが読み取れ、まだなにも知らない堕天司の王が哀れに思えてしまう。それを実行するのは、自分だというのに。
「……ふふ」
「……?」
「ねえルシファー。まさかとは思うけどこれで終わりだなんて思わないよね?」
「なに……?」
「じゃーん! これな~んだ?」
「…………」
取り出したのは一枚のチケット。持っている手をひらひらと動かせば紙は優雅に揺れ、ルシファーの視線を釘付けにする。
「これはね、プレミアムパス。持ってるとなんとバトルの挑戦回数が増えるの!」
「な……!?」
ルシファーとの戦いは一日に一回までとなっている。通常は。
これで終わると思っていた。それなのに。
パスを所持していると挑戦権がプラスされると声高らかに宣言するジータの言葉は、ルシファーを快楽地獄の奈落へと突き落とすには十分。
「天破の祈りも発動! 今度はみっちり一時間半、たぁっぷり楽しもうね♡」
終