最強の女たちにトロトロにされるベリアルの話

「さて……この空間から出るためには二人で一人をイかせないといけないみたいだから、抱かれる人を選ばないといけないわけだけど……私はパス。ベリアルはともかくルシファーは私を抱くなんて気分にならないでしょ」
 部屋で寝ていたはずなのに、目覚めたら白一色の広い謎の部屋にジータはいた。大きなベッドのみ置いてあるここにはジータの他にも次元の狭間にいるはずのルシファーとベリアルの姿もあった。
 一体どういうことなのか混乱しているとどこからか機械音声が流れ、この部屋から脱出するための条件を告げ、それが冒頭へと繋がる。
 出入り口もなく、攻撃をしても傷一つ付かない壁。この謎の空間から出るためには出された条件──二人で一人を絶頂させなければならない。
 なので早速話し合いを始めたのだが、ジータは開幕一番に抱かれる側を拒否した。
「そうだなぁ……。ただでさえファーさんは性的なことに興味ないし」
「フン。お前がその体を実験のために差し出すのならば抱いてやらんこともない」
 腕を組み、当然とばかりに言い放つ堕天司の女王の姿にジータは苦笑い。
「なんというか……ブレないね。……じゃあ次はルシファー。私はここから出るために頑張れるけど……ベリアルは? ルシファーのことを愛しているあなたなら抱けるでしょ」
「無理」
「……はぁ?」
 日頃から勃起しただの、姦淫のお誘いをしてくる淫乱男の言葉とは信じられなくてジータは胡乱げな瞳を向ける。その視線の先にいるベリアルは頭を抱えながらぶつぶつとなにやら呟く。まるで大きなショックを受けたような絶望顔をしながら。
「オレがファーさんを抱く……? そんなの無理、絶対に無理だ。女は知っててもいいけど、ファーさんが男を知るとか耐えられない……! ファーさんには純潔でいてほしいんだ。オレを含めて男なんて知らなくていい……。……待てよ。もしルシフェルが非処女だとしたら、いって!」
「ルシフェルが非処女だと……? ふざけるな……! ルシフェルが男に穢されるなど……ッ!」
 ハッ、として顔を上げたベリアルの臀部をルシファーは思い切り蹴り、ベリアルは痛みを訴える声を上げるもその顔は若干嬉しそう。
 ジータは目の前で繰り出されるやり取りにげんなりしつつも、話を進めなければと開口する。
「落ち着いて二人とも……。でも意外だな。ルシファーに劣情を抱いているのは確かなのに、男を知ってほしくないなんて」
「キミの言うとおりファーさんに欲情はしているが、抱きたいんじゃなくて抱かれたいんだ。ファーさんに搾精されたり、アナル調教されるのを妄想して何度自分を慰めたか……フフフ」
「ふ〜ん? じゃあ決まりだね!」
 ジータもルシファーも抱かれる側は無理。けれどベリアルは受け側でも問題なし。解決したと声を上げるとジータは自分よりも背の高い成人男性の体を軽く横抱きにしてベッドへと歩き出す。
「と、特異点?」
「私もルシファーも抱かれる側には回れない。けどあなたはルシファーに抱かれたい。別に私に攻められるのも嫌じゃないでしょ?」
 ベッドに下ろし、中心部へ行くように促せばベリアルは大人しく言うことを聞いた。その顔は明らかに興奮しているもの。今から自分が最強の女たちに蹂躙される妄想でもしているのだろう。
 そんなことを思いながらジータは躊躇いなく割れた腹筋の上に跨った。強くて美しい男を組み敷いている。それだけで妙に高揚してしまい、自分の中にこんな感情があったのかと少し驚いてしまう。
 こんな一面仲間には見せられない。普段は気をつけようと誓いつつも、今は楽しんでしまおうと口の端を持ち上げるとベリアルの服へと手を伸ばす。
 ボタンを外し、大きく開けばなだらかな二つの丘が飛び出してくる。ジータの団には男性も多く、その中にはほぼ上半身裸の団員もちらほら。
 仲間という点もあるが、見慣れすぎていてなにも思わないのだがどうもベリアルの乳房は見ていると変な気分になってきてしまう。
 ふっくらとした丸み。中心にある薄紅の乳蕾。両手をそれぞれの乳に這わせ、力を加えればふにゅ、と簡単に形を変えた。
 その触り心地は思わず感動してしまうほど。離したくないと言いたげに肌が手に吸い付き、揉む度にベリアルの極上の声帯からは艶声が漏れる。
 ゾクゾクとした痺れが腰から上ってきて、熱っぽく息を吐き出す。この男から催淫効果のあるフェロモンでも出ているのだろうか。そう思ってしまうほどに淫らな気分が心身を支配していく。
「ルシファーは来ないの?」
「…………」
「まあいいけど。でも最後は協力してよね」
 ルシファーはベッドの端に腰掛け、こちらを見ているだけ。ジータの言葉に返事すらしない。条件的にベリアルが達する寸前のときにだけ参加してくれればいいのでジータは再びベリアルを見下ろす。
 白皙の肌に散る朱が艶めかしくて、妖しい色気に気分はどんどんソッチ側へと傾いていく。
 ──正直に言えば、ベリアルのことは嫌いではない。確かにしたことは最低なことだ。だが彼の顔や肉体、声は誰よりも魅力に溢れていて……性格以外は最高。
 今、この空間には団員はおらず、ある意味では一人の女として感情をさらけ出せる。ジータは“少しだけならいいよね”と自身に言い聞かせるとぺたん、とベリアルの方に倒れ込む。
 服越しではあるが自分の胸とベリアルの胸が合わさり、軽く体を揺らせばぴったりと重なった媚肉が互いを押し合う。
「…………」
 男と胸を合わせているだけなのにすごくエッチな気分になってきた。
 ジータはぼんやりと考えると、半身を一旦起こした。本当は一切服は脱ぐつもりはなかったのだが、胸の先端がもどかしい。硬く膨らんだベリアルの乳首と自分のモノがキスをしたらどれだけ気持ちがいいんだろうか。
 団長としてではなく、一人の女の子に戻ったジータはかなり積極的になり、半裸になる。ベリアルは恥ずかしげもなく異性に肌を晒すジータに意外そうな顔をするも、すぐにニヤついた表情へと変わった。
 今回は完全に受け身に徹するのか、ベリアルから手は出されない。ただ、視線は獣のものだが。
「んっ……♡」
 火照った雌顔をしながらジータはもう一度倒れ込む。直に柔肌同士が触れ合い、ゆさゆさ♡ と乳房を揺らせば乳頭がじゃれ合って甘い電流が走り、それがさらに淫乱な気分へといざなう。
「ッフフ……胸合わせが好きになった?」
「うん……きもちぃ……♡」
 ベリアルの肌は本当になめらかで。触れているだけで気分は蕩けてしまう。
 淫らな欲は膨れ上がるばかり。ジータはその欲に従うとベリアルに顔を近づけ「きすしよ♡」と甘えた声。彼は艶っぽく口の端を持ち上げるとジータの後頭部に手を回す。
 その手にいざなわれ、くっつく唇。ベリアルの唇はみずみずしく、手入れを怠っていた自分が少し恥ずかしくなるほどにふわふわ。
 どこもかしこも完璧な彼の肉体にジータは溺れそうになる。
 ファーストキスのジータは最初こそベリアルにされるがままだったが、慣れてくると自分から積極時に攻め始めた。
 彼の口の中を思う存分堪能し、ちゅるちゅると舌先同士を絡めたり、吸ったり。ぬめった吐息が二人から発せられ、それがまた情欲を煽る。
 下腹部が徐々に熱を帯び、自分にはないはずの男性器が勃起するような感覚に陥る。受け入れるより、入れたいという欲がジータの中にひしめく。
 この男に挿入したら一体どんな反応をしてくれるのか。ナカの締め付けは? 妄想に浸っていると、口づけに一区切りをつけたところでベリアルがぽつりと願望を口にした。
「可愛いかわいいキミにペニスが生えていたら最高なんだが……」
 うっとりとした様子で頬を緩ませ、手の甲でジータの頬を優しく撫でる。すると。
「っ!? あ、熱い……ッ!」
「特異点?」
 突如として股間を襲う灼熱。内側からの力強い脈動。なにかが来る……!
 ジータはベリアルの胸へと倒れ込み、身体を震わせながら熱が引くのを待っていると離れたところから別の声。
「なんだこれは……!」
「ファーさん? え、」
 声につられてベリアルがルシファーの方を向けば彼女は絶句し、その視線は下腹部へと向けられている。
 組まれた長い脚。その間から顔を出す肉キノコはベリアルにとって非常に見慣れたモノ。
 まさかの展開にベリアルも言葉を失い、もしやとジータへと視線を戻せば、彼女はゆっくりと起き上がった。
「な、なんで……?」
 ショートパンツからほんの少し見えている物体にジータは激しく動揺する。なんで? どうして? 疑問符ばかり浮かぶ中、もっこりと不自然に盛り上がっている衣服の中身を確認してジータは固まる。
「まさかキミも……?」
「お、おちんちんが、生えた……!?」

   ***

「ンッ、ん……んんっ……♡」
「…………」
「はぁ……ン……♡ ん、ぁ……ッ♡」
 現在ベリアルはベッドの上に四つん這いになり、ルシファーとジータが彼を挟む形で膝立ちになっていた。ちなみに全員全裸だ。
 ベリアルの顔はルシファーの股間に寄せられ、お口でペニスにご奉仕をしている。片手はジータの猛りを握り、行ったり来たり。俗に言う手コキで快楽を与えていた。
 ベリアルが軽はずみに口にした願いが具現化し、ジータとルシファーにそこら辺の男よりも立派な雌ペニスが生えてしまったのが数分前。試しに消えるように願ってみたものの、特に変化はなく。
 ビキビキと太い血管を浮かせ、鈴口から透明な汁を滴らせる魔羅たちを鎮めるのがとりあえずは先だとベリアルが一人で二人分のふたなりちんぽをお世話していた。
 嬉しそうにルシファーのペニスを口いっぱいに頬張るベリアルだが、特にルシファーは反応しない。反対にジータは手でされているだけなのに処女──この場合は童貞の方が適切か。童貞丸出しにしてあんあんと喘いでいる。
「ね〜ぇ、ベリアル。私のも舐めてよぉ〜……」
「ンフフッ。分かったよ。順番にしてあげるから」
 フェラをされているルシファーを羨ましそうに見つめながらジータが甘えた声でおねだり。目尻を下げただらしのない表情は団長の彼女は絶対にしないものだ。
 この部屋の影響なのかふたなりペニスが生えてしまった影響かは分からないが、まるで媚薬を飲まされたようにジータの身体は火照り、思考が蕩けてしまう。
 ベリアルを見ていると先ほどよりかも艶かしく映り、その白くたくましい肉体を抱きしめて肉の味を味わいたくなる。もはや彼女は発情し切った雌。雄を蹂躙したくてたまらないのだ。
 ジータの変わりようにベリアルは白樺の肌をさらに赤く染め、ルシファーの先端にキスをしてから離れた。部屋の照明を受けて光り輝く逸物は腹につくほどに反り返り、ベリアルの唾液と堕天司の女王のカウパーが混ざり合った体液で卑猥にコーティングされている。
 太い血管が浮き出た極太の熱はひたすらに雄々しく、絶世の巨乳美女に生えているのが酷くいびつだ。
「そう睨むなって。特異点はオレたちからすればまだ赤ちゃんなんだから。赤ん坊に待てだなんて、かわいそうだろう?」
 ベリアルのブロージョブが終了すると、無表情だったルシファーの眉間に皺が寄る。雰囲気からも伝わる不機嫌にベリアルはしょうがないなという面持ちでなだめるも、どこか嬉しそう。
「あァァンっ!♡♡ ベリアルのお口、ぬるぬるしてて、ンひやぁぅ! 気持ちいいよぉ〜♡」
 ベリアルの顔が近づいたと思った瞬間生温かいモノが敏感な股間を包み込み、喉を締めながら刺激を送ってくるのだからセックスという行為が初めてなジータは顔を真っ赤にし、両手で口を押さえながら双眸を閉じて身体を愛おしく震わせる。
 ベリアルはそんなジータを上目遣いでじっくりと視姦しながら頭を前後に振り、片手ではルシファーの肉棒を握って亀頭をこねたりして快楽を送っていた。
 普段から淫らな性活を送っているベリアルなのでペニスの生えた女二人相手でも難なくご奉仕を続けているが、ルシファーは痺れを切らしたようだ。
「んグッ!? お゛、ぉ゛っ!♡」
 ベリアルの頭部を両手で乱暴に掴んだと思った瞬間、ルシファーは自らの陰部にベリアルをうずめた。
 いきなりのことでもベリアルはしっかりと順応し、大口を開けて主の熱塊を根本まで喉に収納すると生理的な涙で瞳を潤ませながらもルシファーによるイラマチオを受け入れている。
 その間もベリアルの大きな手はジータに手淫を施し、相手のことなど微塵も考えない荒々しい強制口淫が目の前で行われているのを見せつけられているジータは直接的な快楽と、ルシファーに支配されるベリアルの様子を見る精神的な快楽が綯い交ぜになって背筋を甘く痺れさせた。
 濁点混じりの汚声が響くが、それを発する声帯は星の研究者がこだわり抜いた逸品。ジータの欲をさらに煽り、なにかがせり上がってくる感覚に彼女の顔は力が抜けただらしのないモノへと変わる。とてもではないが団員たちに見せられる顔ではない。
「……射精すぞ」
「オ゛ぶっ、ぉ゛お、ン、ン〜〜〜〜ッ゛!!!!♡♡」
 呟くと、ルシファーはベリアルの頭部を両手で掴み、固定するとより深く腰を押し込む。
 喉の奥の奥。弾ける白濁にベリアルの目からは溜まっていた涙が流れ、血の色をした瞳はハートマークが見えるほどの熱を帯びる。
「ッ……!」
 ベリアルもルシファーの精液が欲しくてたまらないのか、彼女の青白い桃へと両腕を回して指を食い込ませるとさらに密着した。
 一滴も逃すまいと吸い上げる動作にさすがのルシファーも感じているのか、表情を崩す。だが引き離すことはせず、ベリアルが満足するまでおしゃぶりを許可した。
(すごい……こんなにもエッチだなんて……♡ おちんちん動かすの止まんないっ……!)
 日焼けとは無縁の真っ白な肌を全体的にピンク色に染めつつルシファーの股間に夢中になってむしゃぶりつく男の姿にジータは目が離せないまま、その片手は自らの巨根を扱く。
 鈴口から溢れ出す薄い白が混じった体液は潤滑剤としての役割を果たし、手による摩擦快楽の手助けになっている。
「ハァ……、フフ♡ ゴチソウサマ♡」
 思う存分ルシファーの性器粘液を体内に吸収したベリアルはようやく離れ、ルシファーのペニスが露出する。ベリアルによってお掃除をされた肉棒は艶やかな色を放ち、変わらず天を仰いでいた。
 萎えを知らぬ女王の剛直にベリアルはまだまだ楽しめると、嬉しそうに舌なめずり。だが背後から聞こえる熱っぽい声にジータの存在を思い出し、今度は彼女だとでも言うように身体ごと振り向く。
「はぁン……♡ ベリアルのえっちなところ見てたらっ♡ あぁ、もうだめぇ♡ ベリアル、目ぇ閉じてぇっ♡♡」
 普段は凛々しい団長も今は淫欲に身を任せる一人の女。ジータは淫らな塊を扱きながら涙を流し続ける先端をベリアルの顔に近づけると、悲鳴のような嬌声を上げながら白濁を炸裂させた。
「あん、ぁぁ♡ おちんちんからっ、せーえきいっぱい出てるうぅッ!♡♡」
 目を閉じているベリアルの紅潮した顔がジータの雄粘液によって汚される。大量の白はゆっくりとした動きで頬を伝い、落ちていく。
 美しい男の顔に己の体液をかける。ベリアルのように歪んだ性癖はないと思っていたジータだが、自分の中にも彼に似た気質があることに少し驚く。
 性液が滴る顔。口辺りに付いたソレをベリアルはまるで生クリームを舐めとるように舌で味わい、顔に付着したザーメンを人差し指で掬うと口を開ける。
 真っ赤な舌を誘うようにくねらせ、舌先で指の雄汁を細かい動きで舐め取る動作にジータは全身の血が下半身に、偽りの陰茎に集まるような気がした。
 呼吸も荒くなる。口の中に唾液が溢れる。ベリアルは敵だとか、この行為は部屋を出るために必要なことという建前すらどうでもいい。
 この男を蹂躙したい。極上の啼き声を聞きたい。いやらしく歪む顔が見たい。人々を魅了してやまない身体を汚したい。
「おっとぉ……? どうした特異、ンっ……!」
 ふらふらと覚束ない動きでジータはベリアルを押し倒すと馬乗りになった。急な行動にベリアルが声をかけるも、その言葉は中断される。
 上半身を折り畳んだジータのキスによって。
「んっ、ん……ちゅ、んん……!」
「ン……フフ……」
 逃さないと言うようにジータは両手でベリアルの触り心地のいい髪を鷲掴みにし、抵抗なく開かれた唇の隙間に舌を突っ込むと縦横無尽に暴れ回る。
 この男の口の中は砂糖でできているのか。そう思うくらいに甘く、肉厚な舌との濃厚愛撫にジータの興奮は留まるところを知らない。
 どちらのものか分からぬ唾液が両者の口周りを光り輝かせるが、気にする素振りは感じられず。
 キスの作法など知らぬ。したいようにする童貞キスにベリアルは可愛いものでも見るかのように両目を細めると、ジータの後頭部に手を回して引き寄せる。
 さらに深くなるキスは口だけではない。互いの胸が柔らかく合わさった中心。硬くしこった乳種が快楽を手伝う。
「はっ……はぁっ……。ねえベリアル。あなたのせいでおちんちん生えちゃったし、そのせいなのか私、えっちな気分が収まらないの。だから責任取ってよね♡ ルシファーもそう思うでしょ?」
 キスを終え、離れる前にベリアルのふっくらとした唇を唾液をたっぷり纏った舌で舐め上げると、ジータは半身を上げた。
 どこかイッてしまった危ない目をしているジータはベリアルの片胸を手の中に収め、感触を確かめるように揉みしだきながら彼の頭上にいる人物に目を向ける。
 呼ばれたルシファーはベリアルの頭部を持ち、反らせると痛いほどに勃起している肉槍を容赦なくベリアルの喉へと収納し、軽く腰を振り始める。そんな彼女の頬もジータと比べると若干だが、紅潮していた。
「喜べベリアル。お前の好きな耐久テストだ。異常な欲に対してどれほど耐えられるか……私と特異点で見てやろう」
「ご、ぉ……♡ ぉっ、ぅ……♡」
 喉深くまで犯されているというのにやはりベリアルは嬉しそうだ。SでもMにもなれる彼。今は愛する人、そして好ましく思っている特異点に身体を好き勝手されている己の姿に激しく興奮している様子。
 ジータもベリアルの双丘の中心にある溝に陰茎を収めると胸を両手で思い切り寄せた。興奮色に染まる胸肉に包まれた肉塊は満足そうにその巨砲を震わせる。
 まろい乳房に挟まれた巨大な肉の先端からは透明な汁が滴り、それを潤滑油にしながらにゅこっ♡ にゅこっ♡ とパイズリをすれば肉厚感と熱でアソコが溶けてしまいそうになる。
 処女であり、童貞でもあるジータにとって射精は強すぎる快楽で早々に男の絶頂の虜になっていた。一度達すればスッキリすると思ったが、そんなことはなく、身体は淫らな熱を蓄えるばかり。
 ベリアルのせいでこうなったのだ。しっかりと責任を取ってもらわねば。
「はぁっ♡ あんっ♡♡ ベリアルのおっぱい、柔らかくてっ、スベスベで気持ちいいっ♡ 腰止まんないよぉ〜!」
 ふっくらと盛り上がった二つの丘は信じられないほどにふかふかで。こうして触れているだけでおかしくなってしまいそう。
 男性の中では巨乳でも、女性の乳房とはまた違うので牡槍を完全に包み込むことはできないが、それでも肉の側面が陶磁器のようになめらかな肌に優しく揉まれている感覚は視覚的にも大いに興奮を煽る。
 先ほど射精をしたばかりだというのに全く衰える気配はなく、欲は膨れる一方。
 射精することしか考えられず、指の間に胸肉が盛り上がるほどに強く掴みながら馬鹿になったように腰を振って滾った欲望をぶつける。自分でも分かる。今の己はここにいる二人以外には見せられない快楽堕ちした顔をしていると。
 ベリアルにイラマチオをしているルシファーはというと、若干頬が紅潮する程度でジータのようには乱れてはいない。もともと性にさほど興味がないからだろうか。
 精液をねだる淫らな口に対して無表情で下半身を揺り動かす。その度にジータよりも大きいルシフェルの──現在はルシファーのたわわな実りがたぷっ♡ たぷっ♡ と揺れて扇情的。頭部を反らしながら口内を犯されているベリアルが見れないのを不憫に思うくらいには。
 その女神のように美しい身体に付いているのがひどく歪な肉塊をベリアルは口の中全体を使ってご奉仕していた。唾液でぬめつく舌で螺旋を描くようにして竿をなぞり、頬を窄めて吸引し、エラの張った肉傘は喉を巧みに使うことで射精へと促す。その様子は一秒でも早く愛する人の精を得て、コアに吸収して一つになりたいという欲望がありありと感じられた。
 じゅぼっ、じゅぼっといういやらしい音、ジータの嬌声。全てが混ざり合って、それは欲望の解放へと一気に向かう。
「ッ……!」
「ンッ! ンンんんぅぅぅ……!!」
 反応が薄いルシファーの眉間に皺が寄る。身体の奥から噴出する精を耐えることをせず、全てベリアルの中へと吐き出す。受け止める側の男の口や鼻からは逆流した精液が噴き出し、モノとしての扱いに歓喜しながらその身を震わせる。
 女である創造主からはまず与えられることはないと思っていた白露。理由はどうであれ、まさか味わうことができるなんて、とベリアルは全身でその味を楽しむ。
 長めの射精を終えたルシファーが身を引くと、なんとも情けない顔をして呆けている狡知の姿が目に入ったが、そこまで悪い気はしないのかほんのり蒸気した顔に微笑を浮かべるのだった。
 ──ルシファーを控えめと表現するならば、ジータの方は大胆。ルシファーが吐精してから少し。
「あぁぁぁぁッっ♡ もうダメっ♡ いくっ、イッちゃうよぉ!!」
「まったく、こっちはこっちで一人で盛ってまあ……。普段澄ました顔している癖に」
 涙を流しながら一心不乱に男の胸でパイズリをするジータに対して、ベリアルは言葉こそ冷ややかなものだが、その目は面白いものを見ているかのように楽しそう。
 澄ました顔はどちらだ。ベリアルのせいで性欲が爆発してしまい、どうにもならないというのに彼が余裕たっぷりな面様をしているものだから、胸の中にムカムカとしたものが渦巻く。
「なによぉ! あなたのせいでこうなったんじゃない! あッ♡ はぅぅっ♡ もう……射精ちゃうぅ……!」
 これでもかというほどに寄せた乳房の谷間に暴力的な動きで男根を擦り付ける。たっぷりの先走りで濡れた肌はよく滑り、気持ちがいいのを通り越して射精したいという欲だけに支配されてしまう。
 早く外に出たいと迫り上がってくる白濁。あともう少しでイけるとだらしなく舌を出し、蕩けた顔でふたなりちんぽを前後にスライドさせていると、そのときがやってきた。
「ふぁぁぁっっ!! おちんちんからドピュドピュって、私の子種出てるぅぅ♡♡ あんっ、すごいぃぃっ!! 射精ッ、止まらないよぉ〜〜〜〜!!!!」
 一気に爆ぜる濃厚ふたなり汁は粘りも強く、こってりとしており、重たそうにベリアルの肌を滑り落ちていく。
 強すぎる快楽に全身を痙攣させながら絶頂を迎えたジータの鈴口からは熱い液が噴水のように発射され、美丈夫の顔までをも汚染していく。
「ッ……フフフフ……! 若いからかファーさんより量が多いじゃないか。あ〜……味も濃厚。これはこれでイイ。おやおや、まだまだ元気いっぱいだなぁ? 特異点」
「はーーっ♡ はーーっ……♡」
 指で精汁を掬い、味の感想を述べたベリアルは起き上がると未だに余韻の抜けきってない少女の顎を掴むとその唇を奪う。
 白さが残る舌で口内を荒らされ、独特の味が口や鼻を抜ける。普段のジータならばまずいと顔をしかめるところだが、発情しきった今の状態ではその逆の感想を抱く。
「ちゅふっ……んっ、あぁ……」
 唾液でテラテラと妖艶に光る舌を積極的に絡ませると、ぬめった感触と水の音があまりに卑猥で。衰えを知らない怒張へと血液が集中し、ビキビキとそそり立つ。
 まだまだ出し足りないと、ベリアルの膝の上で腰を揺らすと、彼の男根と自分のモノが交差し、敏感な場所同士による微弱な快感にさらなる欲望が芽生える。
「まあ待てって。オレが責任もって二人のお世話をしてやるからさ……」
 盛った獣に成り果てた少女を前に、狡知の男の真紅の瞳が妖しく光った。

   ***

 謎の空間に閉じ込められてどれほどの時が経ったのか。現在ジータは目の前の痴態にお預けを食らっていた。
 眼前にいるのはベッドの上に座るルシファーと、そんな彼女の膝に跨り、自らのアナルで肉槍を喰らうベリアルの姿。
 ジータに対しては余裕を見せていた彼だが、ルシファーとのソドミーにはまるで娼婦のように乱れ、彼を創造した神に与えられた老若男女を魅了する声で派手な嬌声を上げている。
 ルシファーに抱きつき、その豊満な雄胸に主の顔を押し付けながら腰を上げ、一気に振り下ろすと美しい流線を描く淫尻がこちらを誘うように振動する。ぷるぷると震える肉を見て、ジータの中に初めて他人の尻に触れたいという欲が生まれた。
 めちゃくちゃに揉みしだいて、見た目から分かる柔さを堪能したい。けれどベリアルから待てをされているので、この場所でベリアルをオカズに偽りの性器を乱暴に扱き、到底達することなどできない熱を蓄積するしかない。
 ベリアルから下半身のお世話をされるのは当然として、その順番に問題があった。彼のナカに入るのはルシファーが最初だった。これはベリアルが彼女に対して抱く感情の大きさを知っているので我慢することにしたが、まさかここまで辛いだなんて。
 彼のナカはどんな快感をもたらしてくれるのだろうか。ルシファーの顔色には特に大きな変化は見られないが、それは彼女の性格からのはず。もし自分がその場所にいたらそんな冷静な顔をしていられないのは想像に難しくない。
 早く、早く私の番にならないかな。
 理性を失った目でうずうずとしていると、ベリアルが悲鳴のような艶声を出しながら背を反らし、ビクビクッ!! とその肉体を震わせた。どうやら達したようだ。しかし彼の分身からは変わらず透明な汁が滴るだけ。俗に言うメスイキをしたのだ。
 ルシファーはというと、イキ損ねてしまったらしい。自分ばかり絶頂を迎えている造物に対して形の整った眉をひそめると腰を乱暴に掴み、ズンッッ! と力強く突き上げる。
「ひぐっっ……!? ま、待ってファーさん、今イッてるからぁ……!!」
 性の権化とも言える彼らしくもないセリフを口にするも、ルシファーがやめてくれるわけもなく。
「あッっ゛♡ はっ、ぉ♡ ッ゛……! これ、ヤバ……!」
「フン。淫売がおかしなことを言うものだな? 姦通などもう数えるのも愚かなくらいに経験しているだろう」
「ひ、ア゛アア゛ッ♡♡ 遊び、とぉッ……本気は、違う、だろう……?」
 ルシファーが自ら動いて快楽を貪るのがたまらなく嬉しいのか、ベリアルの赤みが差した白い身体は女に甚振られるままブルブルと蠱惑的な肢体を顫動せんどうさせた。
(ベリアル……すごいえっちな顔……♡)
 二人の蜜事を横から見つめ、男の表情に恍惚とした目線を向けながら手淫を続けるも射精までには至らない。少女の片手では一周もできない極太の先端。慎ましやかな穴からは我慢汁が涙を流すばかり。
「ンォ゛ぉぉぉっっ♡ ま゛たッ、い゛……ぐ……! ッッ〜〜〜〜!!!!」
 ルシファーにぎゅうぎゅう抱きつきながら喉を反らす男の目は白目を剥きかけていて、長い舌はだらりと垂れている。白磁の肌は茹だったように真っ赤に染まり、赤星の瞳からは涙を流し、普段の余裕は微塵も感じられない。
 アヘ顔を晒しながら絶頂に打ち震える男に対してルシファーはというと、ベリアルが抱きついているので現在彼の胸に顔が埋まり、表情がどういうふうに変化しているのかは不明。けれど身体の方は小刻みに振動しているので、彼女もイッたのだと思われる。
 ベリアルもルシファーもとりあえずのひと区切りはついたのだ。もう、いいよね?
 我慢の限界だった思考はぼんやりとそんなことを思い、ジータはベッドの上を四つん這いになり、ふらふらと移動するとベリアルの背後に回った。
 膝立ちになり、両手は当然のように彼の胸へと回される。
「ンぁ……? 特異点……?」
 男の首筋に顔をうずめ、肺いっぱいに息を吸えば様々な匂いが混ざった性臭は思考を蕩かすのに充分で。熟れた白桃は握る度にぐにゃぐにゃと形を変え、その触り心地はずっとこうしていたいくらい。
 ツンッ、と尖った赤い尖端を親指と人差し指ですり潰すように捏ねれば心地よい嬌声が間近で奏でられ、男を支配する背徳的欲望にジータの胸は高鳴った。
 自分にこうした性癖はない……と思っていたが、心の奥底、深層には元からあったのかもしれない。ベリアルのことを変態だと言いながら、自分も同類なのだと自覚するも今は嘆くといった感情は湧いてこない。
 とにかく今はこの男を蹂躙したい。思うがままに甚振って啼かせたい。極上のカラダを心ゆくまで堪能したい。
 煩悩のままに動くことにした肉体は胸から片手を離し、その手は自らの下半身へ。血管が何本も浮いたグロテスクとも表現できる牡槍を手に取ると、ルシファーのペニスが挿入されたままの肉ホールに無理やり押し入る。
「もう我慢できなくなったのか? しょうがない子だ♡ あーもう、ファーさんがいるってのに押しのけてまで挿入はいってくるその我の強さ……ッ゛……、フフッ……♡♡」
 童貞のジータに対して揶揄してくるも、無視してルシファーでみっちりと埋まっている場所を拡張するように前進していく。
 素人目に見ても巨根であるルシファーとジータ。その肉棒を特に苦しむこともせずに飲み込むベリアルはさすが星の天才の作品だと感服するほど。
(キツい……けど、ベリアルのお尻、あったかくて気持ちいい……♡)
 半分ほどしか入っていないが、内部はうっとりとしてしまうくらいにちょうどいい熱で、蠢く肉壁は歓迎するように纏わりついて抱きしめてくる。
(あぁんっ♡ ベリアルがこんなにもイイだなんてっ……! こんなの離したくなくなるッ……!)
「ハッ……! ァ゛、ア……! 全部、挿入はいったか……?」
「わぁ〜♡ お腹ぼこってしてる! まるで妊婦さんだね? ベリアル♡」
 巨大な肉を二本も咥え、いびつに膨らむ下腹部をすりすり♡ とさすりながら声を上ずらせたところでジータは動き出す。
「おほっ゛っ! ぉあ゛♡ まったく、遠慮なくガツガツくる……! まるで盛った獣そのものだな♡♡」
「そんなこと言っても気持ちいいんでしょ? ベリアル。ね、こっち向いて……」
 重たい一撃を打ち、それを皮切りに短いピストンで男を攻め立てれば声が抑えられないのか、ジータの動きに合わせて形の整った唇からいやらしい音が出る。
 背後からベリアルの身体を抱き、胸を愛撫しつつ、こちらを向くように命令すれば男は大人しく顔を向けた。火照った顔に濡れた目元。その顔だけで下半身がさらにいきり立つのを感じる。
「んっ♡ ちゅるっ、ちゅ……ふぁぁっ……♡ べりありゅぅぅ……♡♡」
 貪るようなキスは脳髄に響くような甘美な刺激があり、夢中になって彼を求める。雄膣の方はルシファーの精液がローション代わりとなって、スムーズに出し入れができるのと同時に、彼女の太茎と兜合わせになることでも快楽を得られた。
 一方のルシファーはベリアルを膝にのせるに留めて動く気配はない。彼女の男根はまだまだ硬く、天を向いたままだが自ら動かずともベリアルとジータの本気交尾から快楽を得られるからだ。
 無表情の冷めた目で自らの創作物と世界の中心である特異点の痴態を眺めている。
「おちんちん、熱いのにぎゅーっ、ぎゅーっ、ってされて気持ちいいっ!!♡ こんなの腰が止まらないよぉぉぉっ♡♡」
「ッフフフ……キミを悦ばせることができて光栄だ。まぁでも、当然だろう? オレのボディはファーさんが細部にまでこだわった逸品だからな」
 ただひたすらに快楽を貪る獣と化したジータはテクニックもなにもない童貞ピストンを繰り返すが、ベリアルは余裕をもって受け止める。
 蠢く腸壁にペニス全体を抱きしめられ、さらにはルシファーの硬い牝肉猛りとの絡み合いによって早々に精液がせり上がってくる感覚がジータを支配するが、それを我慢する必要性は感じなかった。
 普通の人間の雄ならば枯れるほどの回数射精しても、まだ足りないくらいの気分がジータの心中を支配していた。
 経験豊富なベリアルも最初こそは泰然としていたが、己のナカに愛するルシファーと、並々ならぬ興味を抱く特別な人間、ジータがいる。しかもどちらも巨根ときた。
 両名ともに最強格で、美しく、本来の彼女たちには無い雌ペニスによってまるで肉オナホ扱い。SもMも楽しめる性格であるベリアルにとってご褒美以外のなにものでもない。
「ン゛っあッ♡ っハァ……♡ お゛ッっ! 特異点ッ……そろそろイキそうか?」
「も、ダメっ……!♡ はぁん♡ ああぁ♡ おちんちん苦しいのっ! ふっ、ふぅぅ♡♡ あンっ、ンァァぁぁッッ!!!!♡♡♡♡」
「っ……!」
「ちょっと待って、ファーさんまで……!? ぅグッ! っ、ハアァ……♡♡ 腹がはち切れそうだッ……! っ、やばい、オレも……!!」
 ベリアルを背中からぎゅうぎゅうと力いっぱい抱きしめながらジータは──果てた。ほとばしる灼熱の白濁はジータひとり分かと思いきや、とても控えめな声とともにルシファーのモノも勢いよく発射され、ベリアルは自分の腹の中が爆ぜた感覚に陥る。
 もちろん本当に爆ぜたわけではないが、ふたなり娘ふたり分の精液量・発射力はそれほどに凄まじいものだった。
 ジータだけならまだしも、ルシファーの精を受けてベリアルは自分でも意図せずに達してしまい、この場では役立たずの男根からも濃厚な体液が噴出するが、虚しく彼自身の肌を汚すだけ。
 三人一緒に仲良く絶頂を迎えたわけだが、若干の疲れを見せているのはベリアルのみ。背後にいるジータに身体を預け、息を整えている。
 百戦錬磨のベリアル。いくら軽口を叩いてもそれだけ最強の女たちの相手は大変だということ。まず普通の人間ならば耐え切れずに最悪死んでいるところだ。
「重い。退け」
 ジータと比べると性欲に支配されていないに等しいルシファーは、女性でありながらも非常にドスの利いた低い声でベリアルに命令し、彼は倒れ込むようにして彼女から下り、そのままベッドに身を預けた。
 その際に二人の剛直が抜け、ぽっかりと不自然に空いたままの穴からは内部の肉の色を覆い隠すようにふたなり濃厚精液が溢れて止まらない。
「ベリアル……もっと……」
「ッ゛! フフフフッ……!! 特異点は本当に元気いっぱいだねぇ? 全然萎える気配がないじゃないか……」
「はぁ……♡ はぁっ……♡ もっと、もっとベリアルのナカにいっぱいびゅるびゅるしたいのっ♡♡」
 腹臥位の体勢で倒れるベリアルの背中にジータは倒れ込むようにして密着する。汗に濡れた肌はしっとりモチモチとしており、肌を重ねているだけで幸せな気分になってくる。
 限界を知らぬ極太勃起を咥えるモノを求めてヒクつく穴に挿入すれば吸い込まれるように肉筒に包まれ、締め付けと精液によるヌルヌル感にジータは湯船に浸かったときのような気の抜けた声を出し、顔をベリアルの首筋にうずめる。
「フーッ……♡ ベリアルからえっちな匂いがする……♡」
「色情魔か……」
「まあまあ、英雄色を好むって言うじゃないか」
 休憩なのか、少し離れた場所で二匹の獣の交尾を見つめるルシファーの目は冷たく、呆れるように言葉を口にするがジータは聞こえていないのか、寝バックの体勢のまま男の肉を味わう。
 まだベリアルには余裕があるのか、腕をクロスに組んで頬をのせるとルシファーを見つめながら軽い口調でフォローを入れている。
 まだまだ余裕たっぷりだ。

   ***

 肉欲の宴が始まってどれほどの時間が経っただろうか。ベリアルはジータとルシファーに様々なプレイで犯し抜かれ、魅力的なボディは汗と体液でベトベト。
 最初は童貞ふたりを導くえっちなお姉さん的な立ち位置でご奉仕に勤しんでいた彼だが、今はその美しい顔は白濁と興奮に染まり、だらしないアヘ顔をしながらふたりの猛り勃った肉茎を上下の口で咥え、そして──。
「……ようやく消えたか」
 もう何十回射精したかも分からぬ頃。最後にベリアルのフェラで達したルシファーの股間からは綺麗さっぱり男の象徴は消えており、今はなだらかな丘が広がっている。
「ルシファーは消えたんだね……じゃあ私がベリアルを独り占めしていい?」
「えぇ……どれだけ性豪なんだいキミは……」
 バックの体勢でベリアルのアナルを犯しているジータの肉槍は未だ消えず、抽送を繰り返しながら聞くジータにルシファーは呆れながらも「勝手にしろ」と一言。
「これ以上特異点のザーメン注がれたら孕んじまいそうだ……」
「ベリアルと私の赤ちゃんかぁ……。星晶獣って赤ちゃん産めるのかな?」
 ヒトの姿をしていてもヒトではなく、なおかつ男であるベリアルに対しての考えは普段ならばあり得ないと一刀両断するも終わりの見えない肉快楽に支配された影響か、本当に孕ませられるような気がした。
「ほう……」
「ぁぐっ!? っは、ァ゛……♡ いきなりっ、突っ込まなくてもいいだろぉ♡ はひゅッ……ア゛ぁ゛♡♡」
 ジータの発言にピンとくるものがあったのか、ルシファーは片手を伸ばすと突然ベリアルの背中側からコアにアクセスし、組み伏せられている男はうめき声を上げるも最初だけ。
 コアを直に弄くり回された残りの数秒は、体を痙攣させながら気持ちよさそうに啼いた。
「ベリアル。お前の中を一度リセットした。……特異点の精、その腹にしっかりと溜めておけ。その体液に種はあるのか……あれば優秀な遺伝子なのには変わりない」
「……え? ファーさんが特異点の子を産むの?」
 体から腕を引き抜きながらの言葉に狡知の男はその役割に見合う知性を持ち合わせているとは思えぬ発言をこぼし、ルシファーはその内容に怪訝そうに目を細めた。
「なにを言っている……? お前が孕むに決まっているだろう」
「オレ、雄なんだけど……」
 あまりに当然の如く言うものだからベリアルは苦笑い。
 ジータに対しての孕む発言は比喩での言葉、ただ場を盛り上げるスパイスでしかない。
 細かいところにこだわるルシファーなので彼女が造り出した女性体の獣には子宮があり、もしかしたらの可能性はあるが、ベリアルは男性体だ。
「子宮なら作ればいいだけのこと。──神が雄は孕めぬと定めたのなら、そんなくだらんものは私が壊してやろう」
 口元の端を上げて笑うルシファーにベリアルは彼女が本気なのだと悟り、これ以上はなにも言わなかった。メシアのお気に召すままに。
「話は終わった? 安心してベリアル。あなたが赤ちゃん産めるようにいっぱい種付けしてあげるからね♡♡」
 挿入したまま、ぐるんとベリアルの身体をひっくり返し、正常位の形にするとジータは怖いほどのニッコリ笑顔で宣言。
「忘れているだろうがこれは耐久テストでもある。まだまだ耐えられるだろう? ベリアル」
 頭の上では長い脚や腕を優雅に組み、ひとりの研究者としてベリアルを見つめるルシファーの姿。かつての研究所でのやり取りを思い出し、ジータのピストンも相まってそれだけで軽く達しかけた。
 ──不思議な空間に囚われた三人。その扉の鍵を開けるには“二人で一人をイかせること”。数時間前にジータとルシファーの射精を受けてベリアルがアクメを迎えたので条件はすでに満たしているが、ジータは未だふたなりペニスが消えず性欲に支配され、ルシファーは消え、鍵のことに気づいてはいるものの実験に興味を持っているので出る意思はない。
 ベリアルはそんな最強の女たちの欲望の捌け口となり、トロトロに蕩かされているために鍵のことなど頭になかった。仮にあったとしてもルシファーとジータからは逃れられない。彼に許されるのは受け入れるだけ。
「私のおちんちんが消えるまで付き合ってもらうからね♡ ベリアルも嬉しいでしょ? あなたが望んだことなんだから♡♡」
 そもそも二人に生えてしまったのはベリアルがおかしな願望を口にしたからである。
 気の遠くなるような長い長い年月。ベリアルは己の発言を後悔したことはないが、今はほんの少しばかり後悔。特異点である彼女の理性が吹き飛んだ性欲を完全にナメていた。
 果たしてこの空間から解放されるのはいつになるのか。解放されたとして、ベリアルはどうなってしまうのか。それは誰にも分からない。