ひたすらに敵を屠り、へとへとになったジータは重い脚を引きずりながら艇内を歩いていた。その顔もまるでゾンビのように生気がなく、目が死んでいる。
なぜ彼女がこれほどまでに疲れているのか。その理由は古戦場にあった。前半は肉を集め続け、後半は強敵を倒す。数など覚えていない。
その古戦場もようやく終わり、こうして艇に戻ってきた彼女の願いはただ一つ。ベッドで眠りたい。いや、その前に体を清めなければ。今のジータは汗や血で酷く汚れていた。
気怠い体に鞭を打ち、ようやく着いた自室。木製の扉のドアノブを捻って開ければ、暗い自室に一人の男の姿。
ジータはあまりの驚きに体を硬直させたが、騒ぐ気力もない。ベッドの上に横たわりながら流し目を向けてくる男から目を離さないようにしつつ、入室した。
真っ白なベッドに寝転ぶ黒い影。雲の切れ間から見えた月が部屋を照らし、その姿が浮かび上がる。
ジータの部屋にいたのはベリアルだった。だが彼は本物のベリアルではない。召喚石のベリアルだ。本体は次元の狭間にいる。
なぜルリアの力もなく顕現しているのかが謎だが、どうせ聞いても「だって狡知だもん」とはぐらかされるだけ。
今回の古戦場ではこのベリアルが非常に役に立ち、敵に挑むたびに連れて行っていた。
きっとそのご褒美でもねだりに来たのだろう。疲れ切った頭でも分かること。
「キミと他の騎空士に周回され続けただろう? 体が熱くてしょうがないんだ」
「たしかに今回の古戦場ではあなたにお世話になったけど……」
「だろ? ご褒美をおくれよ特異点。それに──キミだって溜まってるだろ? ずっと戦いばかりでヌく時間がなかったはずだ」
誘うようなポーズで寝そべっていたベリアルが起き上がり、扉付近で立ったまま動かないジータに近寄ってきた。歩幅が広いので数歩あるけばもう目の前だ。
ベリアルは意味深に呟きながらジータの背後に回り、抱きつくと片手を彼女の股間に添えた。スカートなので見た目では分からないが、こうして触れると女の子にあるのがおかしい膨らみがある。
愛おしそうに軽く撫でれば、腕の中の少女は体を震わせ、顔を上げるとベリアルを睨みつけた。
ジータは女性でありながら男性器も付いていた。珍しいといえば珍しいが、特に不便に思ったことはない。
定期的に熱を放出してはいるが、回数は同年代の男よりかは少ないほうだと思っている。誰かに聞いたわけではないのでハッキリとは言えないが。
ベリアルが欲しがっているご褒美は彼がよく口にするソドミーだろう。だがジータは性行為のやりかたなど分からない。
なんとなく想像はできるが、実際にやれと言われたら困ってしまう。それに今はとても疲れている。
せめて明日にしてくれない?
目を細め、ジト目で告げればベリアルは「ん〜」と数秒思案し、ジータから離れた。
「我慢できそうにないんだ。特異点が相手してくれないなら他の奴のところに行くとするよ」
召喚石とはいえ彼もベリアル。淫欲にまみれた堕天司らしい言葉にジータは反射的に腕を掴んでいた。その力は疲れているとは思えないほどに強い。
自分のことはあまり気にかけないジータだが、団員のことになれば話は別。殺気を纏った目でベリアルを射抜く。
「私が相手をするから皆には手を出さないで」
「……そうこなくっちゃな。フフッ、じゃあ早速ソドミーといこうか」
ベリアルの手のひらで転がされているのが非常に悔しいが、ここで止めなければ彼は本当に団員のもとに行くだろう。団長として絶対に阻止しなければならないことだ。
ジータがベリアルを受け入れると彼は妖艶に笑って彼女を抱きしめ直し、首筋に顔をうずめるではないか。
「ひぁっ!? や、やだやめて! 匂い嗅がないでっ!」
「血と汗と特異点の香りが混ざり合ってたまらないな……。はぁ……勃起する」
「ちょっと、なんで硬くしてるの!? というか押し付けないでよ!」
クンクンと匂いを嗅がれ、ジータの頬が瞬時に赤く染まる。今の自分の香りがいいものではないと分かっているので羞恥心が一気に襲いかかり、ジータは悲鳴を上げて身をよじるが、ベリアルは放そうとしない。
股間の屹立を押し付け、腰を軽く振って彼女の反応を楽しむ。
きゃんきゃんと吠えながらなんとかベリアルを引き剥がし、距離を取ったジータの顔は激しい運動をした後のように真っ赤になり、華奢な双肩も呼吸に合わせて上下している。
ニヤニヤしているベリアルにベッドで大人しく待っているように告げると、足早に脱衣所へ続く扉へ向かい、中に消えた──と思いきや、「覗かないでね!」と扉から顔だけ出して釘を刺す。
残されたベリアルはイタズラに成功した子供のように笑うとベッドに寝転び、彼女の言いつけどおりに大人しく待つのだった。
*
ベッドで待つこと十分と少し。シャワーを浴び終えたジータが脱衣所から出てきた。服も着替えたようでオフホワイトの半袖にハーフパンツ。
パンツから伸びる脚はほどよく肉がついており、若い肌はしっとりとしているようだった。
起き上がったベリアルは視線が合わないよう、逸しながらベッドに近寄るジータの初い反応に全身の血が下半身へと集中していくのが分かった。
年甲斐もなく童貞のように興奮している己が少しおかしくて笑ってると、ベッドの縁に腰を下ろしたジータに怪訝そうな目を向けられ、それがまた情欲を唆る。
瑞々しい肉体。だが今回は処女ではなくて童貞を奪う。いずれは処女も奪いたいところだが、今回はジータの男の子の部分を可愛がってやるのだ。
けれどその前にそういう雰囲気を作ってやらねばとベリアルはジータにベッドに乗るように促し、ジータもそれに従う。緊張しているのか、正座だ。
「ガチガチにするのはコッチにしてくれよ、特異点……」
「ひぅっ……! ん、耳やだぁ……!」
不安げな顔を向けてくる可愛い少女に顔を寄せ、耳に熱っぽく囁けば大げさなくらいに体が跳ねた。
ヴァージンらしい反応に気分を良くしたベリアルは股の間に鎮座している未だに兆し始めない柔い肉に触れながら赤く色づいた唇に己の唇を重ね、固く閉じられた口をノックするように撫でればジータは少しだけ口を開く。
ハジメテの性行為だし、優しくしてやらないとな。
最終的に受け入れるのはベリアルだが、彼の優位でコトが進む。
両手で耳を塞ぎながら小さな舌を絡め取り、歯茎を撫で、硬口蓋を何度も刺激してやればジータは脳内を直接犯す卑猥な音に目を強く閉じる。
ベリアルにされるがままの口からは唾液をこぼし、上手く呼吸ができず、息の限界なのか彼の胸を何度も叩く。
世界の中心である特異点でも中身は普通の人間。無理をさせたら死んでしまうと、ベリアルはリップ音を残して顔を引いた。
二人の間に今まで繋がっていた証である透明な架け橋が伸び、落ちる。
顔を上気させ、肩で呼吸するジータの目尻には涙が溜まっており、ベリアルは引き寄せられるように吸い付いた。
「これくらいでトロ顔になるなんて可愛いな、特異点。次は直接可愛がってやるよ」
「んっ、や……!」
股間に手を伸ばし、撫でれば兆し始めてはいるが、まだまだ柔い。次は直接触れて勃たせてやろうとベリアルは動き出す。
膝が崩れ、女の子座りをしているジータの脚を抱えると下半身を隠す布たちに手をかける。
恥ずかしいとジータが止めるも、その力は弱い。するりと脚から抜けていくハーフパンツとショーツ。外気に晒された陰部を隠すように服の裾を引っ張るジータが本当にいじらしくて、ベリアルは頬が緩んでしまう。
「オレとソドミーしてくれるんだろ? 特異点」
「そ、そうだけど……でも……うぅ……」
「別に痛いことをするわけじゃない。今夜だけ淫蕩に身を委ねるのもいいものだぜ?」
言って、ベリアルは裾を引っ張るジータの手をどかして彼女の男の子の部分を曝け出した。年齢の割には大きく、鈴口からはトロリとカウパーがあふれ出している。カリ高で竿も血管が浮き出ていて凶悪。
(顔に似合わず物騒なモン持ってんじゃん)
彼女の極悪なふたなり魔羅に貫かれる妄想をして、ベリアルは顔を興奮の色へと染める。今すぐに押し倒して騎乗位で搾り取るのもいいが、せっかくの初めてなのだ。色んな性技で彼女を翻弄するのもいい。
片方の口角を上げ、ベリアルはベッドに伏臥位になるとジータの脚の間に顔を寄せた。目の前には脈打つ巨大な肉。身を清めたからか、見た目とは反対に清潔ないい香りがする。
男の部分だというのに女の子らしさがあり、美味そうだと舌なめずりをすると大口を開け、一気に飲み込んだ。
「ひぁぁぁっ!? な、なにやってるのベリアル! ん、あっ、あっ♡ した、舌がっ、柔らかくて♡ やっ、やだぁ♡」
口内を蹂躙する肉棒を舌で撫で、亀頭は喉奥で扱いてやればジータは知らない感覚に悶え、甘い声を上げ始める。ベリアルは頭を何度も前後に振り、抜き挿しを繰り返す。彼の唾液とジータの先走りが混ざり合い、粘った水音が部屋に響き渡る。
ときに太茎をアイスキャンディーのように激しく舐め回し、涙を流す小さな穴に尖らせた舌を挿し込んでほじり、茎を大人の男の手で扱いてやれば控えめな自慰しか知らないジータにとっては快楽拷問に近いものがある。
平時の彼女からは想像ができないほどの性的な声に、ベリアルの股間も熱く滾るというもの。
「ッ、んッ♡ んあっ♡ は、そ、そこだめ、ベリアル♡ 出ちゃう、出ちゃうぅっ♡♡」
「ふぉら、ふぁせよ♡」
「あッ、あァっ♡ 喉が締まって──」
「んっ……!」
ジータの欲望が弾けるのが感覚で分かったベリアルは彼女の腰を引き寄せることで深くまで咥え込み、放出された熱い白濁を目を閉じて味わう。
こうして他人の精液を飲んだのは数知れず。味や濃さなどいちいち覚えていないベリアルだが、ジータのモノは記憶に強烈に刻まれるほどだった。
ふたなり女のを飲むのだって初めてではない。だがこうした感情が沸き立つのはやはり特異点だからなのか。
大量の精と濃厚な味に達しそうになりながらも全てを胃に収めたベリアルはようやくジータのペニスを解放し、起き上がった。
ジータは知らない快楽に顔を林檎色に染め、落涙しながら悦に浸っている。オスを誘惑するメスの姿だ。
「特濃ミルクごちそうさま。……フフ、まだまだ元気そうでなにより。次はオレと一緒に気持ちヨくなろうな?」
ベリアルは黒パンツを脱ぎ捨てた。彼の陰茎もまた天高く膨張しており、透明な雫を垂らしている。腹まで反り返るグロテスクな色をした肉塊はジータよりも少し大きいか。
ベリアルは胡座をかくと、未だ気をやっているジータの両脇に手を伸ばした。ひょい、と重さを感じさせない動きで抱き上げ、膝へと乗せる。
芯を持った長大同士が触れ、一度達したことで敏感になっているジータの体が跳ねた。
「次はなにをするの……?」
「こうするのさ」
「ひゃぅっ!? んぁ……♡ ベリアルのとっ、私のがっ……♡」
濡れた瞳で聞いてくる少女に笑みを深めながらベリアルは交わる肉棒を一緒に握ると、上下に扱き始める。互いの我慢汁が潤滑剤になってスムーズに手が動き、それに合わせてジータも啼く。
自慰とは比べ物にならないほどの気持ちよさ。ベリアルの大きな手に包まれ、直に感じる熱も気分を急激に昂ぶらせる。
粘性の音を聞きながらジータは股から目を離せなかった。恥ずかしい場所同士を擦り合わせ、快楽を訴えるように吐淫を流す性器を見て呼吸が浅くなる。
「だめっ!♡ それ気持ちよくてっ♡ またっ、またイッちゃうぅ!!」
性的なことに関して嫌悪すらしていたジータが、今ではベリアルから与えられる欲望の虜になっていた。頑なな壁を壊し、快楽の坩堝に叩き込んだ結果、ここまで簡単に堕ちるとは。
ふたなりの性欲は付いていない女よりも強め。しかも相手がベリアルとなればいくら特異点たるジータでもただの女の子になってしまう。
襲いかかる快楽の大波にジータは無意識にベリアルの後頭部と太い首に腕を回し、ぎゅうぎゅうと強く抱きつく。
彼のドレスシャツのボタンはいつの間にか外されており、ベリアルのたくましい体に少女の柔らかい体が押し付けられる。
ジータは服を着ているので布越しだが、下着を着けていないのか硬くなった胸の飾りがベリアルの胸と合わさり、たまらないものがあった。
「おやおや、自分から腰を擦り付けて……そんなにイキたいの?」
「イキたい♡ 気持ちよくなりたい♡ ベリアルお願い、意地悪しないで……」
「ハイハイ。わがままなお姫様」
濡れた声に喉奥で笑い、ベリアルはジータの背中を抱くと最後の仕上げにかかった。
二人の愛液で濡れた欲の塊を扱きつつ、手のひらで亀頭を包み込んでグリグリと刺激したりすれば、耳元でひっきりなしにジータはベリアルを誘う淫声を発する。
小さな体を抱きながらジータの肩口に顔を乗せているベリアルも悩ましげに両目を閉じ、迫りくる射精感に身を委ねた。
「こんなの変になっちゃうよぉっ! ぁ、あッ! はァ……ぁ♡ んぅ……♡♡」
慣れない絶頂感にジータはベリアルの肩にぐったりと寄りかかり、愛おしく震えている。
快楽にてんで弱いジータに背中を抱いていた手で髪を撫でながら、ベリアルは彼女との間にできている隙間に視線を落とす。
ベリアルのなめらかな手が二人分の白濁で汚れ、二回目だというのに衰えない射精量に熱くて重たい息を吐き出すと、精液まみれの手を綺麗に舐めとっていく。
手入れの行き届いた赤い唇から覗く濡れた舌が白に染まっていき、酷く倒錯的だ。
「いっぱい出たなぁ、特異点♡ けど勿体ないな。次はオレのナカに射精してくれよ? なに、遠慮することはない」
返事がないのは承知。ベリアルはジータを優しくベッドに仰向けに寝かせると、白露を吐き出して萎えた陰茎を手に取った。
「ほら、頑張れがんばれ♡」
応援しながら陰嚢を揉み込み、手コキを続ければ、ベリアルの声に応えるように杭は芯を持つ。その回復速度の早さにどれだけ性欲が強いのだと笑いが漏れてしまう。
ちらり、と視線を下半身からジータの顔へと向ければ夢遊病患者がじぃっ、とベリアルを見つめていた。その瞳には“期待”の感情が込められており、ベリアルの口が歪む。
「さて特異点。お待ちかねの筆下ろしの時間だ。キミの初めてをオレが貰えるなんて嬉しいよ。いいか? よーく見ておけよ?」
「ぁ……! おちんちん、ベリアルに食べられて……!」
ジータに見せつけるように脚を開き、腰を上げるとヒクつく穴が丸見え状態。後ろに片手をつき、もう片方の手でジータの熱い杭を手に取り腰を下ろせば、一度もほぐしてないというのにすんなりと飲み込まれていく。
捕食と表現してもおかしくはない行為。ジータの丸く開かれた目はソコから目を離せない。
「あ〜……イイ……硬さも、太さも……。食べがいがある」
「はぁ、はぁっ……! ベリアルのナカあったかい……♡ お尻ってこんなにも気持ちがいいの……?」
「ウフフ。ソドミーはいいものだ。病みつきになる。シたくなったらいつでもオレが相手してやるよ」
両手を後ろについたベリアルが動き出す。見せつける体勢のまま前立腺をこするように腰を上下させ、ジータの女の子ペニスを使ってオナニーの時間。
内部で膨張する幹に息を荒げながらベリアルは動き続ける。同じ動きばかりでは特異点もつまらないだろうと浅い挿入を繰り返し、もどかしい目を向けられたところで一気に深く食い込ませる。
喰われ、締め付けられる結合部を見つめながらジータはぼろぼろ涙を流し、喘ぐ。可愛らしい濡れ声は何時間も聞いていられるほど。
「どうだい? オレのナカの味は。たまらないだろ?」
「あぅ、ンッ……! こんな……の、元に戻れなくなっちゃう……! おちんちんベリアルに食べられてぇッ♡」
まるで助けを求めるかのように伸ばされた両手を見て、ベリアルは見せつける体勢からジータの下腹部に乗る体勢に変えた。
恋人同士のようにギュッと手を絡ませ合い、支えにしながら腰を縦方向に動かす。眼下で乱れ狂うジータを見て挿入しているのは彼女だというのに、これではオレがタチではないかと思いつつも尻でジータを抱くことをやめない。
粘性の強い音を出しながら責め立てていると、内部の分身が我慢の限界だと精を吐き出す準備に入ったのが感じられた。
そろそろいいかと上下運動のほかにみっちりと咥えたのち、腰をグラインドさせたりと、ベリアルが動くたびに彼の男性器も大きく揺れてジータに視覚的興奮を与える。
「まっ、やぁっ♡ とま、とまってぇ♡♡ こんなの、ひぅぅっ! きちゃ、きちゃうぅぅッ!!♡♡」
「っハ……! こんなに射精されたら孕んじまうだろぉ? 特異点。それともボテ腹セックスをお望みかい?」
「はっ、あっ……♡」
勢いのある射精にベリアルは思わず孕みそうだと口にするが、彼は雄。しかも星晶獣なので妊娠することはない。だがそう口にしたくなるほどの射精量なのだ。
腸内を満たす精汁にどれほど搾り取ったら出なくなるのか気になるも、一夜ですべて平らげる必要もないとベリアルは考えた。いずれジータは自分から誘ってくるだろう。その確信があった。
ならばゆっくり味わえばいい。
「慣れない快楽に振り回されているなぁ。それも可愛らしいが……。なあ特異点。オレのザーメンも受け取ってくれ」
まだ射精していなかったベリアルは己を手に取ると狙いを定め、数回扱くと欲望を解放した。吐き出される粘った体液はジータの腹や胸元を汚し、さらには体液でぐちゃぐちゃになった顔は見ていると征服感を感じさせる。
*
「ねえベリアル……今日もお願い」
「またかい? 昨日シたばかりだろう」
「だってベリアル言ったじゃない。シたくなったらいつでもオレが相手してやる。って」
夜のグランサイファー。自室に戻ってきたジータは当たり前のようにベッドにいる堕天司の投影に蕩けた瞳で訴えかける。だいぶ我慢していたのか、その呼吸は乱れており、性的な香りを放っていた。
甘い毒のような快楽をベリアルに教えられてから数週間は彼の誘いに耐えることができていたジータだが、それも無駄な抵抗というもの。
最終的に性欲に負けてしまった彼女はベリアルとの交合を繰り返し、今ではそれなしの生活が難しい。
忘れられないのだ。彼のナカが。彼のテクニックが。
本当は駄目だと分かっている。けれどやめられない。ベリアルの虜になってしまっていた。
「もうこんななの。ねえ早く……」
スカートの裾を摘み、めくれば、桃色の下着からは完全に勃起した熱源がはみ出していた。力強く脈打ち、トロトロと愛液を流している。
堪え性のないジータのモノにベリアルは嗤うと、「おいで」と腕を広げ、ベッドへと誘う。甘い蜜に誘われる羽虫のようにジータは覚束ない足取りで近づく。
光のない目に映るのは悪魔の楽しそうな顔。特異点を堕としてしまえばこちらのもの。次元の狭間にいる本体を取り戻す方法も見つけやすくなるだろう。
黒い悪魔が考えていることなど露知らず。ジータは誘惑に抗うことなくその柔らかな胸に飛び込んだ。
終