淫獄ナイトメア【背徳の鬼ごっこ─捕まったら、強制絶頂─】3章

第三章

「…………」
 ぼんやりとした意識。深い深い眠りから覚めたような気分だと思いながら、起きなければという命令を脳は下し、重たい目蓋がゆっくりと開かれていく。目の前に誰かの顔があって、それは自分を見下ろしている。誰かの手が髪の毛を優しく撫でるその手つきは、まるで母親が子どもをあやすような。
 大きな手が気持ちいい。この微睡まどろみに身を任せてもう一度寝てしまうのもいいかもしれない。途中まで持ち上げた目蓋を再び下ろそうとしたとき。
「未来ちゃん」
「──!!」
 心地よい低い声に未来の意識が一気に覚醒する。脳内に走馬灯のように再生されるのは悪夢の時間。そうだ。自分はベリアルという人外と鬼ごっこをしている最中。こうして意識を手放す前の記憶は忌々しく、思い出したくもない。
 魅了の魔力に侵され、出るはずのない母乳が噴き出し、ベリアルの胸に吸い付いたりと淫乳快楽の虜になっていた。
 意識を失うまで淫らな宴に狂っていたのか。今はベリアルの膝に寝かされている状態──俗に言う膝枕をされていることに未来は彼から離れたくて勢いよく上体を起こそうとするが、ベリアルの片手に肩を軽く押されて制されてしまう。
 未来は顔を歪めながら大人しく元の位置に戻る。ベリアルはいい子、いい子と未来の茶髪を何度も撫でながらうっとりとした声で呟く。
「未来ちゃんの安らかな寝顔を見てさ、特異点もこんなカオをするのかと想像したら軽くイキかけたよ」
 子どもを寝かしつける母親のような静かで優しい口調だというのにその内容は下劣そのもの。
 髪を撫でる手が不意に止まるとその手は未来の頬へと滑り、包む。成人男性の手は未来の小さな顔をすっぽりと包み込むくらいに大きい。
「なあ未来ちゃん。もう諦めたらどう? キミがどんなに抗っても結末は変わらない。キミ自身が一番分かってるんじゃないか?」
 そんなこと言われなくても分かっている。人外相手に人間である自分が哀れなほどに無力、実際にこれまでのことも彼の手のひらの上。同じ土俵にすら立ててない状態。けれどここで諦めしまったら──確かに楽にはなれるだろう。きっと最後には彼に本当の意味で犯されるのだ。それが早いか遅いかの違いだけ。
 でもほんの少しでも希望があるなら諦めたくない。現実の自分が目覚めればきっとこの悪夢も覚める。彼との遊びが終結する前に覚醒すれば……! というわずかな光が未来の今にも折れてしまいそうな心を支えていた。
「……嫌だ」
 柳眉を逆立て、悪魔の囁きを突っぱねる。力強い眼差しにベリアルの脳裏に特異点と呼ぶ金髪の少女の顔がよぎり、彼は慈母の笑みを一層深めるとひとつの提案をした。
「そう。なら……キミの勇気に敬意を評してひとつルールを付け加えよう」
 未来の顔から離れた手の人差し指が上げられ1の形になると、彼は続きを話し始める。
「オレの身体に少しでも傷をつけることができたらキミの勝ちにしてあげる」
「傷……攻撃しろ、ってこと?」
「そう。武器になりそうなモノは建物のナカにちらほらと見かけたよ。……あぁそうだ。今からキミに約束しよう。オレはキミを殺さないし、キミが勝ったらこの夢が終わるまでキミの前に現れない」
「…………」
「頑張ってオレの隙を突いてくれ。サービスで様々な感覚も追加でオフにしておいてやるよ」
「追加でオフ……って、今までも感覚を抑えてきたような言い方……」
「うん? もちろんじゃないか。普段どおりのオレならすぐに未来ちゃんを捕まえられる。それじゃあ詰まらないってことで気配を察知する感覚を一般の人間レベルにまで落として鬼ごっこをしてきたつもりだけど?」

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 ベリアルによって横になるように命令された未来は大人しく従う。臀部に感じる粘ついた感覚に吐きそうになりながらも床に横たわればベリアルは膝立ちになった。
 怒張した肉塊は何回も射精しているというのに全く萎える気配がない。性知識に乏しい未来ではあるが、異常と分かる。人外の彼に人の常識を当てはめることは無駄なのだ。
 ピクピクと身を震わせる砲身を見て身震いする。自分の手首ほどの太さがあり、長さもある男性器。あんなモノが最後には自分の身体の中に入ってくるのだと考えると怖くて怖くて仕方がない。
 瞠目しながら震えるいたいけな少女にベリアルは酷いことをしているとは思えないほどに柔和な微笑みを浮かべると未来に脚を開くように告げるも未来は条件反射のように首を横に振り、嫌がる。
「未来ちゃん。これはオレなりの譲歩なんだぜ? 本来であれば今回でゲームオーバー。だけどキミがどうしてもって言うから交換条件を出した。見逃す代わりに少し遊ぼう、ってね」
「ッ、う……!」
 ベリアルの言うとおりだ。本来ならば今頃は……。けど彼の交換条件を受け入れたことで見逃してもらえた。どちらにせよベリアルには未来を強制的に操る術がある。ベリアルが手を下すか、未来自身で動くかの違いだ。
 鼻をすすり、悔しさと怖さが混じった涙を流しながら未来はゆっくりと脚を開く。下着を着けていない剥き出しの性器が徐々に露わになる。
 処女という言葉がぴったりな桃色の女性器の中心は固く閉ざされていて、左右の大陰唇はふっくらと柔らかそうだ。
 ベリアルから与えられる性的な接触によって全体的にしっとりと濡れており、幼いながらも雄を誘う香りが漂う。
「本当にキミのココは綺麗で可愛いねぇ」
 人差し指で柔肉を押せばほどよい弾力があり、顔を出している紅い尖りを左右に弾けば未来の白い喉が仰け反る。反射的に閉じられる脚。太ももに片腕を挟まれたままベリアルは手淫を施していく。
 悲鳴のような嬌声を上げながら乱れる肢体。ブラジャーに包まれた実りによる踊りをじっくりと眺めながら、硬くなっているクリトリスを指先で愛してやればやるほどに溢れる粘性液によって指はもう濡れに濡れている。
 強烈な性刺激に早々に達しそうになる未来。下腹部の張り詰める感覚、それが弾ける寸前にベリアルは指の動きを止めて閉じている両脚を無理やりこじ開けた。
「あっ……?」
「おっと……イタズラが過ぎちまった。おいおい、そんな顔するなって。イかせてはあげるけど、指じゃなくてコッチでね?」
「んひぃっ!?」
 性熱によってぼんやりとした未来の意識をこちらに引き戻したのはベリアルが自らの猛りを女の子の弱点に叩きつけ、本来のメインを思い出させたことだ。
 硬くて熱い男の証が女陰の筋にあてがわれ、否応なしに“犯される”というイメージが未来の脳裏に浮かび、新たに大粒の涙が目尻に滲む。
 きっと尻のときと同じように擦り付けるだけだろうが性器となると交わりがより強調され、未来の全身に緊張が走る。同時に鈴口が紅い飾りと何度もキスをすると微弱な電流が流れてどんどん身体が熱くなっていく。
 心の底から嫌だと感じるのにベリアルが腰を軽く振り始め、少女器官を極太の肉槍の圧が襲うとただ擦り付ける行為だというのに身体は快楽を得てしまう。
「いやっ……こんなっ……! んっ、ぁあ……!」
「フフ……そんなに嫌かい? キミの身体はそうでもないみたいだけど。オレに犯されてキミの大事なところが泣いて喜んでるぜ?」
 身体を屈ませて未来と密着したベリアルは目を閉じて顔を背ける彼女を煽り、わざと音を聞かせるように意識を向けさせる。
 ベリアルが動けば花蜜が溢れた濡れ花は水の音を立て、未来に羞恥心を植え付ける。より一層深まる頬の紅。ベリアルは楽しそうに口の端を持ち上げると片手を未来の後頭部に回し、自分の方に向けると若い唇に吸い付く。
 最初はソフトな触れ合い。下唇を甘噛みしたり、啄むように口づけの雨を降らせ、未来の唇から力が抜けたところで優しく舌を挿入させる。合意ながらも半ばレイプに近いこの状況だというのにベリアルからの優しい愛撫に未来の脳にはバグが生じてしまい、これは恋人同士の行為なんだと誤認してしまう。
 そういう考えが浮かんだところで未来は己に言い聞かせる。ベリアルが出した条件──自分に傷をつけることができたら降参する。つまり彼の負け、未来が目覚めるまでもうなにもしないと。
 今回は武器を見つける前に捕まってしまい、見逃す条件として彼を気持ちよくさせるという提案を呑んだ。だからこれが終わったら早く武器になる物を見つけて、彼に一撃を加えなければ。
 とは、思うものの。度重なる快楽責めによって処女である未来の身体はある意味では未だに清らかだというのに、彼の行為によって鋭敏になっているために震えが止まらない。声だって。恥ずかしいという気持ちはあるが止められない。勝手に出てしまう。
 後頭部を包む手、握られる手、苦しいのに気持ちがいい舌の戯れ、その調べは耳まで犯す。上下に攻められて未来は早々に限界を感じ始めていた。
 愛液を纏った肉杭の砲身が割れ目を這い、クリトリスを押し潰される度に媚電流が流れ、快感のパトスが急上昇していく。
「あふぅ、ぅ……ひゃ、や、ぁああ……!」
「未来ちゃんはコレが好きかな?」
「っひ! やだ、やだぁ! おちんちんやめてぇぇぇ……!」
「うんうん。これが好きなんだねぇ」
 ベリアルは唇を離し、空気の振動が分かるくらいの至近で意地悪に呟く。快楽の種にぴったりと亀頭をくっつけて何度も押し付けると硬いもの同士が絡み合ってジータの下腹部に淀みが溜まっていき、嫌だ嫌だと泣くも逆にベリアルからすれば可愛い反応のようで悪辣な男は血の色をした目で未来の顔をじっくりと視線でも犯す。
「だめっ……はぅ、あそこっ、ビリビリするっ……!」
 腹に渦巻く快楽が今にも弾けてしまいそうな感覚に陥る。これまでに何度も絶頂を迎えてきた未来であるがこれに慣れる日は来ないのだろうと分かるくらいには強烈な刺激。あと少しでイク──というところでベリアルは動きを止めてしまう。
 彼の顔を見ないようにと閉じていた目を開ければ、彼女の目からは“どうして”というベリアルを責めるような感情が読み取れた。実際にそう思っているわけではないが、身体は随分と素直になった様子。
「ん〜? 違う体位に変えようと思ってね。あぁ、ごめんよ。もしかしてイキたかった?」
 こちらの考えていることを見透かした言葉と目に未来は思い切り睨みつける。言葉で違うとは否定できなかった。中途半端にお預けされて苦しいのは事実なのだから。
 ベリアルは嘲笑すると未来の上から一旦離れて今度は自らが仰向けに寝転ぶ。なにをしようとしてるのか分からず、動けないでいる未来に対して彼は「今度はキミが上に乗ってくれないか」とお願い風でありつつ実質は命令を下す。
 さらなる嫌な予感に未来は顔を歪めるも従う以外はない。のっそりとした動きで起き上がると四つん這いでベリアルのもとへ。
 反り返っている男性器の少し下、太ももに跨ればベリアルの手が伸びてきて強制的に割れ目に肉茎を埋めさせられる。両側の肉花弁を割って膣前庭に触れる硬い棒は脈打っており、嫌でもその存在を分からせられた。
「今度は自分で動いてみて」
「……ど……どうやればいい……か、わかん、ない……」
 はらはらと泣きべそを掻きながら未来は訴えるもベリアルは両腕を後頭部で組んで完全にノータッチを決め込む。ただそれでも動き方は教えてやろうという気持ちがあるのか、
「オレの身体を支えにして……胸でも腹でも好きなところに手をついて……そうそう。上手じょうず。そしたら好きなように動くんだ。オレを使って自慰をするようにさ」
 割れた腹筋に両手を置く未来を褒めると好きなようにと促す。どちらにしろ自分で動くしかないと未来は陰部をベリアルのペニスにこすりつけるように身体を前後させる。
「はっ、うぅ……っ、っん、ぁ……あ……」
 ずりゅっ、ずりゅっ、とたどたどしく身体全体を揺り動かす未来。クリトリスが男性器にこすれて性的快感が下半身から脳天へと突き抜け、控えめな嬌声を漏らしながらベリアルを使ったオナニーショーを演じていく。
 スカートの中で繰り広げられる淫らな劇。膣液が絶え間なく分泌され、ペニスの先端から溢れる先走りと混ざり合って潤滑剤代わりになって動きがスムーズになっていく。
 膣前庭や淫核が熱くて硬い棒にこすれて腰が砕けてしまいそうになる。顔を紅潮させながら緩慢な動きでぬめり快楽を享受していくと自然と口の中に唾液が溜まり、気を抜くと漏れてしまいそうだ。
 どんどん熱くなる身体。触れている局部が熱くて混ざり合ってしまいそうな錯覚に陥る。目を閉じて辱めに耐えつつ、なんとなく目を開ければベリアルが楽しそうな顔で未来を見ていた。
 悪魔のようだ、と未来は思う。実際人外なのと、こちらの世界では悪魔の名前なので余計にそう思ってしまう。こんな相手に傷をつけることなんて本当にできるの? 心に残った僅かな希望さえも消えかかっていた。
「ぅ……あッ!? っ……ふっ、ふぅぅ……! っく、や、ッ……ぁ……!!」
 子宮辺りに溜まるばかりであった淀みがついに決壊する。堰き止められていた波が一気に溢れ出し、下半身を快楽波が襲う。ガクガクと震えは全身に広がり、視界が緩くスパークする。身体から力が抜けていき、倒れ込む先はベリアルの柔らかな雄乳。豊満な膨らみは優しく未来を受け止め、また、ベリアルもいい子いい子と頭を撫でる。まるでペット扱いだ。
「はっ……、ひッ、う、うぅ……!」
「お預けされていた分、短かったが……なかなかいいショーだった。やればできるじゃないか」
「もっ、おわって……!」
「だぁめ♡ まだまだ付き合ってもらうよ」
 悪魔の嗤い声が頭上で響く。口で陰茎を咥え、尻、そして股でのこすりつける行為。トータルでどれほどの時間が経っただろうか。もういい加減に終わってほしいと願うものの、どこまでも現実は未来の思うとおりにはいかない。
 ベリアルは指をパチン、と鳴らすと未来の脱力した身体を強制的に起き上がらせ、足も大きくM字に開かせた。より局部を強調する姿で再びベリアルのペニスの上に乗る形になるが、今度は片手でスカートを持ち上げてと新たな要望が。
 身体は倒れないように魔法で操っているのだから、全部魔法で操ってくれればまだ心が幾分か楽なのに。歯噛みをしながら未来はスカートの裾を一ヶ所に纏めると片手で雑に持ち上げ、卑猥に輝く性愛器官をさらけ出す。
 ここで終わりかと思えば今度は残りの手を握られた。先ほどと同じく恋人繋ぎだ。自分たちはそんな甘い関係ではないのに。
「ンッ、ひ! ごりっ、ごり、やだ、やだぁ……!」
「フフ。いい眺めだ」
 ベリアルは自らの陰茎を手に取ると剥き出しの桃色性器の割れ目に沈め、軽く腰を上下し始める。薄っすらと白くなっている体液を鈴口から流しながら濡れ花を犯され、未来は目を閉じ歯を食いしばって快楽に抗おうとするも調教されてしまった身体はベリアルから与えられる悦に喜ぶ。
「うぁっ……! ぁ、ん、んぐっ……! ひっ、ぃ、うぅっっ……!!」
「我慢は身体に毒だぜ? 全部さらけ出して可愛い声で啼いてくれよ」
 食いしばる口の箸から唾液が漏れ、閉じられた目からは止まらない。その理由は気持ちがよすぎるから。感じてはいけないと頭では思っていても、性的な刺激に慣れない未来にとってはとても難しいこと。
 柔らかな脂肪の割れ目に挟まれながら暴れる肉塊は時折そのまま挿入はいってしまうのではないかと思う動きを見せ、未来は肉の齎す刹那の圧迫感に身体を強張らせる。するとごめんごめんと言うように亀頭で陰核を押し上げて思考を乱してくる。
 ベリアルの動きに翻弄される幼い少女の反応を悪魔は楽しそうに見つめ、握っている陰茎を膣前庭に押し付けてぐりぐりと左右に動かしたり、掬うような動作で分身に蜜を塗りつけたりとやりたい放題。
「癖になる弾力と柔らかさ……。指を挿入いれたときの具合の良さからしてキミは名器だろうねぇ。誇っていい。最上級のオンナの武器なんだから」
「そんなのっ……! しらない……ッ、いく、ならっ……! ふッ……ぁぁン! 早く、イッて……!」
「おねだりするほどにザーメンがオレの欲しいだなんて。未来ちゃんもその気になってくれた? フフッ。はい、ドウゾ」
「っひ!? あッ、ぁぁぁっ……! アソコっ、熱いのいっぱい出てるぅっ……!!」
 なんの前触れもなく発射される雄汁。すでに何度も出したというのに量も濃さも薄まることを知らない粘性の汚濁液は幼い女性器を染め上げ、膣の中にも侵入していることは未来は知らず。
 密着している肉槍の鼓動と股に広がる熱に身を震わせていると、ベリアルはまた動き出す。悲鳴の中に甘さが混じった声が教室内に響き渡り、それは二人の淫らな遊びがまだまだ続く証拠……。