「ルシファー……?」
それは突然であった。
極端に暑かった季節は過ぎて秋に向けて過ごしやすくなった今日この頃。今までは冷却剤代わりに毎夜ルシファーと寝所をともにしていたジータも自分の部屋で──といってもルシファーの部屋の隣だが。にて、眠るようになったが今日は珍しく彼から俺の部屋で寝ろと言われた。
もしかして人肌恋しいのかな? とジータは喜んで頷いた。ジータからすれば可能な限りルシファーのそばにいたいと思っているので願ったり叶ったり。鼻歌交じりで彼の寝室を訪れ、いつもと同じように眠ったはずだった。
しかしナイトテーブルに設置されているライトのスイッチをルシファーが切ってしばらくして。眠ったと思われた彼が急に動き出したのだ。しかもジータに覆い被さる形で。
横向きに寝ていた体を彼によって仰向けにされたジータは暗闇の中でじっ、とこちらを見下ろす青い瞳から目が離せない。星晶獣である彼女からすれば光がない闇の中でも昼間のように見えるのでルシファーの様子がはっきりと分かり、彼の表情からなにか読み取ろうと観察するも無表情なので読み取れず。
どうしたんだろう? と声をかけようと思ったとき。ルシファーの顔が近づき、そのまま重なる唇同士。ぬめった感触とともに入り込む舌は浅い部分でちゅるちゅるとジータの舌を絡み合い、唇を軽く喰んだりとしてきてジータを混乱の坩堝に叩き落とす。
「ぁ……は……♡ はぅ、くちゅん……ふぁ、あっ、るし……ン、ちゅぱっ♡」
なぜ彼がいきなりキスをしてきたのかは分からないが、ジータは口づけの最中でも目を閉じないルシファーの美しい目に見つめられることで羞恥心が刺激されて目を閉じた。すると他の感覚が鋭敏になってジータに襲いかかる。
口の中を蠢く男の舌。慣れないながらもこちらからも反応すれば顎を掴まれさらに深くなるキスにジータの思考はは早々に快楽に堕ちていく。
「ふみゅぅぅ……!? んはぁ! ん、んん……くちゅ、は……、耳はっ、ン……っ!♡」
顔を重点的に火照っていく身体。奪われる思考能力。ルシファーの繊細な指先で耳を捏ねられるとゾワゾワとした電流が甘い痺れとなってジータの背筋を走り、彼女の身体がいやらしく揺れ動く。
ルシファーから与えられる快楽が大きな弱点であるジータは心身ともに快楽のスイッチが入ってしまい、股間部がむず痒い。陰唇の上部に鎮座している朱玉が脈打って大きくなろうとしているのが感覚的に分かった。
ジータはルシファーが自らの研究の補佐や身の回りの世話をさせるために作った星晶獣で彼の処女作。星の天才である彼にも失敗というものはつきもの。ジータにはバグとして不定期に発情期が訪れ、また、性的興奮によってクリトリスが肥大化し“男性器”になってしまう不具合があった。
最初は寝込みを発情したジータに襲われた──といっても彼は本気で抵抗しなかったのでほぼ合意での行為だが、そのままアヌスを犯されたルシファーもその後は自らの手で抜いてやったり、ジータのやりたいことを受け入れてやっていた。
バグならば修正すればいいのだが、男性器が生える以外に問題はなく、発情間隔にかなり間が空いたりとそこまで大きな問題ではないので一旦保留となっている。加えて彼は現在“天司”という特別な星晶獣を造ることに心血を注いでおり、他のことは正直あと回しにしたかった。
このままだとまた勃起してしまう。普段のジータならば成り行きに任せてしまうし、どちらかと言えばルシファーを抱きたい──主に奉仕したいのだが、今回はなぜか彼に抱かれたいという女の気持ちが勝った。ジータだって女の子。好きな人の手でこの身を愛されたい日だってある。
するとどうだ。ジータの気持ちを汲んだようにクリトリスの肥大化の予兆は治まり、小さな快楽の種はすっかりと静かになったではないか。その代わりに割れ目の奥からは甘露が滲み、下着をじっとりと濡らしていく。
彼からのフレンチキスや耳弄りによって愛蜜はしとどに溢れ、彼からの行為にそう時間は経っていないというのにソコはすでに大洪水状態。少し足を擦り合わせればくちゅ♡ と卑猥な感覚を自覚してジータの頬は紅潮する。
「……拒絶、しないのか」
「嫌がるってこと……? 私があなたを拒絶するわけないよ」
「襲われているのにか?」
「あはは……。そんなこと言ったら私だって最初は寝ているルシファーを無理やりしちゃったし……。それにね、ルシファー。私はあなたに求められることが凄く嬉しいの。それがどんなことであっても。これはあなたが造物主だからとかじゃない。私は、私の意志であなたが好きだから」
目を開けてしっかりとルシファーの目を見つめながらジータは宣言する。この言葉には嘘や偽りなどない、本心からだと。
ジータの答えにルシファーは軽く口元を緩ませ「フ……」と笑うと、動き出してジータの首筋に顔を寄せると柔肌に吸い付く。チリッとした痛みを一瞬ジータが感じると彼が吸った場所に赤い印が刻まれていた。そのまま唇を這わせながら下りていくルシファーの頭部をぼんやりと見つめ、ジータは男を喜ばせる甘い女の声で啼く。
(な、なんでっ♡ 身体、こんなにビクビクしちゃうの……!? はぅ、ぁああ♡ だめ、いつもより変な声出ちゃうぅぅ……!!♡)
おかしい。と、ジータは己の肉体の異常を感知する。ルシファーとの性行為時、彼の性器に奉仕をしたりと彼の肌に触れているだけで心身ともに気持ちがよかったが、今はその快楽を軽く超える刺激をジータは感じていた。
確かにこうして女側になるのは初めてだが、明らかに違うと感じるほどの官能熱に一歩間違えれば下品と感じる声が出そうになるのを察してジータは慌てて両手で口を押さえるも、
「随分と敏感だな。俺を組み敷いているときよりかも善がってないか?」
ルシファーの手がジータの手をどけてしまう。美しいながらも大きな手は彼が男性だとより強くジータに分からせ、彼の思うがままにこの身を蹂躙してほしいという被虐的思考が湧き上がる。
「ふぎゅっ♡ っ、つ……! ぁ!? らめ、手ぇどけちゃ──あン……ッ、はひゅ、おっぱいくりくりダメなのぉ……!!♡♡」
手を外されてしまい声が抑えられなくなったところでルシファーは身体を起こしてジータのキャミソールをたくし上げると乳房を晒す。白くて果実のように丸みを帯びた中心は硬く尖っていて、ジータの身体が揺れれば胸もふるふる♡ と煽情的に震える。
そのひとつに手を伸ばすルシファー。すると指先で乳首をぐりぐりと捏ねられ、痛みと肉悦がジータを包み込んで彼女は白い喉を反らせながら喘ぐ。
「……まるで獣だな」
「っひ! ごめ、ごめんなさい……! 変なっ、声、ださないようにッ……する、から……!」
「非難してるわけではない。……フ、面白い。許してやるから自由に喘げ。己が雌だということを嫌というほど理解しながらな」
「ッ……♡♡」
垣間見えた彼の雄の部分にジータの雌性器はキュン♡ と収縮し、さらに性液が溢れ出る。口の中に唾液が溜まっていき、一気に飲み込む彼女の目はとろんと蕩け、涙が滲む目元や赤くなった顔は完全な雌顔。
ルシファーが腹部に乗っているということも自分が組み敷かれているという事実を示しており、また、彼はジータを気遣って膝立ちになっているわけではなく全体重を彼女にかけて文字通り乗っているので重みを感じて少し苦しい。が、それも今のジータにとって性感になって快楽のスパイスとなっていた。
本能に従っていいという許しが出たことでジータの瞳の奥にはハートマークが宿り、そんな双眸が見つめる先にあるのはルシファーの足の間。黒いボトムと下着に隠された男性器は勃起しているのか布を押し上げている。
ジータの口内にじゅわりと再び唾液が溜まっていく。
舐めたい。ご奉仕したい。彼の性器の肉感が恋しい。
完堕ちしているジータの目を見て、ルシファーは彼女がなにを求めているのか察すると「淫獣が……」と口では言うものの、ジータに跨ったままの状態で上へと移動して下腹部を彼女の顔に近づけた。だがそのままなにもしなくなったルシファーを見て、ジータはそろりと視線を上げればかち合う青にはほんのりと淫情が宿っており、彼の意を汲んだジータはふにゃりと笑うと両手でボトムのチャックを下ろし、下着から大きくなった彼の分身を取り出す。
ジータの顔を横断する巨大な肉。顔の皮膚越しに感じる圧と彼の熱だけで身体中が歓喜に震え、ジータは両の手で竿を握ると熱烈な接吻を繰り返すと大きく口を開け、唾液たっぷりの口の中に彼の亀頭を迎えた。
「ごぷっ♡ んぶっ……ぷちゅっ……♡」
寝ている状態でのフェラは苦しいものの、自分の口がルシファーの男性器で塞がれている状況にジータの足は戦慄き、股間が疼いてしょうがない。お腹の中もルシファーでいっぱいにされたくて、その妄想が激しくなっていく。
ルシファーが欲しい! ルシファーが欲しい! ルシファーが欲しい!
それは舌や口全体のうねりへと変換されてルシファーを責め立て、彼の表情を歪めるのには十分。卑猥な音を立てて一生懸命に肉砲を頬張るジータにルシファーは、
「っ……は、どうやら……今のお前は被虐に目覚めているようだな。そんなに苦痛が好きなら……くれてやる」
「んぶぅっぅ!? んぐ、んン゛っ゛っっ!!♡♡ おぇっ♡ ぉ、お゛ぉおッ゛♡♡」
ジータの頭部を乱暴に掴んでルシファーは腰を押し付け、喉奥まで肉茎を押し込むと彼は腰を振り始める。残酷に笑いながら何度も、何度も。
性玩具に見立ててジータの口を犯す彼に手加減というものはないが、それは彼女が人の姿をしていても星晶獣だからだ。原則不滅の獣。この程度で壊れるはずがない。
ジータは無理矢理の行為だというのに普段あまり見られない彼の雄の部分が感じられてむしろ嬉しかった。ジータに抱かれるとき淡白なことが多い彼にもこういった一面があるなんて。
生理的な涙で顔を濡らしながら喉奥を犯す凶器に最初こそはジータはなにもできないでいたが、ほんの少し慣れると喉を締めてやったりとルシファーに奉仕すればさらに大きくなる性器と彼の面様からして射精が迫っているのだとジータは理解する。
「ッ、なにを……ぅ、く……!」
「んぅぅぅ……!! ン、ンぐぅぅぅっ♡♡♡♡」
より深く彼が欲しいとジータは両手をクロスさせて彼の腰を引き寄せるのと同時に奥に発射されるザーメンの量は多く、隙間から外へと溢れてしまいそうになるが、そんなもったいないことはさせないと何度も喉を上下させて全て身体の中、コアへと取り込む。
造物主の体液が自分の身体を構成する一部となることにジータの精神は昇天し、幸福感とともに全身から力が抜けていく。だらりと投げ出される両腕によってルシファーは拘束を解かれ、腰を引けば残滓が糸を引いてジータの口元を白く汚した。
「ルシファー……ルシファーがっ、欲しいのっ……♡ お願い……♡ あそこ、もうぐしょぐしょで、お腹の中が切ないの……♡♡」
湿った呼吸を繰り返す度に柔らかなふたつの乳房も上下して男を誘惑する。ねえ、お願い……と涙で濡れた目でルシファーに上目遣いでおねだりすれば彼も悪い気はしないのか、ジータの願いを叶えるかのように下がっていき、彼女の下半身を隠す布を全て脱がせた。
すると見えた光景にルシファーは口を半開きにして目を丸くする。ジータは性的興奮状態になるとクリトリスが勃起して男性器になる。きっと今回も──と思っていたが、実際には違った。
膝を立たせる形で開脚させたことで男の目の前に広がるのはどこまでもなだらかな丘や中心の割れ目から溢れる蜜によって濡れ花と化している少女器官。主を雌竿で抱くばかりで交接を何度か経験している身でありながら未だ清らかな秘処。柔い脂肪の花びらの奥にある赤い穴はとても小さいながらも自らを貫く雄を求めるかのようにヒクついていた。
ルシファーも人ではあるが、空の民に比べて基本スペックが高いので暗闇にもすでに慣れており、カーテンの隙間から差し込むわずかな光を受けてぬらぬらと淫猥に輝く中心の窪みに自然と手が伸びる。
「ひゃんっ!♡ ゆびぃっ……くちゅくちゅ、らめぇ……♡♡」
「これなら慣らす必要もないか。俺のモノを咥えてここまで濡らすとは……。まあ、想定の範囲内ではあるがな」
大きな花びらを揉んだり、膣前庭に指を引っ掛けたりしてやればジータにはそれだけで大きな快楽に直結するのかシーツを掴み、身体を左右に揺らす。その様子をじっくりと見下ろしながらルシファーは独りごちるとジータの足を開かせた。
くぱくぱ♡ と口を開閉させる中心から滴り落ちる蜜に誘われるようにルシファーは怒張をあてがうと──ゆっくりと腰を沈めていく。
「あ゛っ、や……は、ふぅ、ふー……! 全部、挿入った……?」
「まだ半分も挿入ってないぞ」
「そんな、あっ、ああ……♡ おっきぃの、無理だよぉ……♡♡」
「……この程度で大きいと言うならば、お前のを肛門で受け入れている俺はどうなる」
「なにかっ……言った……?」
未踏の地を切り拓くが如く先端が狭い空間を拡げていき、ジータは質量のある物体が自らの胎内に入ってくる苦しさに甘い声を上げる。
「ひぎぃぃっ♡ おっきいのっ、はいって、きたぁ♡♡ ひっ、はひゅっ……ふっ、はふぅ♡ くるし、けど……ルシファーを、私が、受け入れてるんだぁ……♡♡」
こじ開ける苦痛はジータにはないようで、幸せそうな顔で自分がルシファーを受け入れていることに喜ぶ。
ルシファーが初めて造った星晶獣といってもこだわり抜いた作品には変わりない。彼自身も使うとは当初は想定していなかった膣内部は襞がびっしりとひしめいており、俗にいう名器となっている。
適当な部分もあるルシファーだが、外部ならず内部も手を抜かずに設計している辺り、彼の熱量が伺える。
「あッ、はぅぅ……♡ 女の子ってこんなに気持ちいいんだ……♡」
男の快楽もいいが、初めて知った女の快楽は精神がぐずぐずに溶けてしまいそうなくらい甘美で終わりが見えてこない。
愛液で満ちたキツくて襞が絡みついてくる内部にルシファーは深く息を吐く。性よりかも知を求める彼はジータ以外で色事を経験したことがないために、挿入する側の快楽は受け入れる側が初めてのジータと同じでこれが初体験。
彼女のしたいことを許してやるという気が湧くほどの相手、しかも自分が設計したとはいえ極上の内部に気を張ってないと今にも搾り取られそうだった。
「はぁ……はぁ……♡ 私のナカ、ルシファーの形になってるのが分かりゅ♡♡ ぴったり包んで、あっ♡ おっきくなったぁ……♡ ひぁぁぁぁっ!? きゅ、急に、あぁぁあぁぁ♡♡ 動いちゃ、ひッ、ぁああ!!」
うわ言のように内部の様子を口にするジータにルシファーはついに動き出す。彼女のくびれた腰を力いっぱい掴み、叩きつけるように腰をぶつければジータの身体は縦に揺れ、突かれる度に「あッ♡」と自然と声が出てしまう。
互いに初めてな結合部は膣肉がルシファーに絡みつき、腰を引く際には名残惜しそうに吸い付き、再び押し込めば歓迎するように収縮してうねる。
内部に溜まっていた甘い汁がピストン運動によってぷしゃぷしゃと噴き出し、撹拌されて泡立ってもきた。